村上木彫堆朱とは? わかりやすく解説

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村上木彫堆朱

【工芸品名】
村上木彫堆朱
【よみがな】
むらかみきぼりついしゅ
【工芸品の分類】
漆器
【主な製品】
重箱、盆、茶器花器菓子器
【歴史】
新潟県村上地方は、平安時代から天然の漆の生産地として広く知られています。村上木彫堆朱は、15世紀初めに京都漆器職人中国堆朱真似て木彫の上に漆を塗る技法として始め、その技法村上地方寺院建てたときに伝えられたものです。最初に寺院建てた宮大工技術覚え江戸時代になるとその技術武士の間にも伝わり、そして町民の間に広まって今日至りました
【主要製造地域】
新潟県
【指定年月日】
昭和51年2月26日
【特徴】
木製木地に細かい彫刻をすることを得意とし、その彫刻をより引き立たせる漆塗り技術が独特です。村上木彫堆朱は、堆朱ついしゅ)、堆黒ついこく)、溜塗り(しゅだまりぬり)等6種類技法総称です。代表的な技法である堆朱は、の上塗り艶消し仕上げた落ち着いた肌合い特徴としています。

村上木彫堆朱

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/15 05:16 UTC 版)

村上木彫堆朱(むらかみきぼりついしゅ)は、新潟県村上市において製造される漆器である。1955年には新潟県文化財、1976年には経済産業大臣指定伝統的工芸品の指定をそれぞれ受けた。

歴史

室町時代の文安年代より、この地域近辺に耕雲寺や龍皐寺などの寺院が建立されていた。その際、京都から来ていた大工や工芸師などがその事業に加わったことが、当漆器の起こりとされている[1]村上頼勝が藩主の時、寺院の建築が盛んになった。

江戸時代に入り、元和には城郭や武家屋敷の改築や建設が進められ、それは寛文まで続けられた。京都から木匠伊太郎などを招聘し、村上で彫刻の技術が高められたのはこの頃とされる[1]。寛文2年に羽黒神社が再建となり、神輿に漆工芸を施す必要があったが、これも京都から職人を招いている。寛文7年、榊原政倫の時代には藩士の荒山市右衛門が漆奉行になったという。それと同時に、ウルシを植樹させている。

文政の時、江戸詰であった村上頓宮次郎兵衛は堆朱の名工、玉楮象谷を師匠として彫刻を学び、同藩士の澤村吉四郎も加わって世に聞こえた才能[2]を乞うた。天保年間に江戸詰となった澤村吉四郎が、久松老松軒、岩村太郎左衛門などに教示し、彼らがその漆工を持ち帰った。藩の工芸奨励政策もあり、工匠たちの間で広まった。板垣周左衛門(後に苗字帯刀を許され、有磯周斎となる)は技巧の向上のほか、活発に販路の拡大を進めて漆器を村上の特産品にし、今日の村上漆器の基礎を固めたとされる。慶応年間に仏壇や仏具にも加工を広げ、世間に広まって行った[3]

明治に入って漆業は一種の道楽から生業となり、元士族の間でも行われた。その後は需要が増加するも、濫造する結果を招いていた。そこで周斎の子、周亭や山脇長平などが明治26年に村上工芸社を組織し、技術の進歩と販路拡大を図った。販路は海外にも広まり、分業制の活用もあって村上漆器は栄えた。昭和11年(1936年)当時では、80名の会員が在籍していた[4]

現在、生産されているものには、杯・皿・重箱・鉢・茶筒・なつめ・菓子器・盆・箸・花器などがある[5]

特徴

脚注

参考文献

  • 横井時冬『工芸鏡. 二』六合館、1894年。 
  • 沢口悟一『日本漆工の研究』丸善、1933年。 
  • 佐藤榮喜『産業調査報告書. 第2輯 村上町の堆朱堆黒の調査』新潟商業学校産業調査部出版、1936年。  179-198頁
  • 村上堆朱事業協同組合『村上木彫堆朱』。  商標登録 村上木彫堆朱について pdfファイル 2016年1月30日閲覧

関連項目

外部リンク



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