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木村克美

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/26 14:21 UTC 版)

木村 克美
生誕 (1931-08-31) 1931年8月31日(92歳)
愛知県岡崎市
国籍 日本
研究分野 分子科学
研究機関 理化学研究所分子科学研究所北陸先端科学技術大学院大学大阪大学北海道大学
出身校 名古屋大学
主な受賞歴 日本化学会賞(1989年)
紫綬褒章(1998年)
勲三等旭日中綬章(2003年)
プロジェクト:人物伝
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木村 克美(きむら かつみ、1931年8月31日[1] - )は、日本化学者。分子科学の分野で著名。分子科学研究所名誉教授。レーザー光を利用して分子の電子状態やイオン化ポテンシャル等の精密測定を行った。実兄の木村資生(きむら もとお)も研究者で、世界的な集団遺伝学者である。

略歴

受章歴・受賞歴

主な研究

ヘリウム共鳴線 (HeI) を光源とするHeI光電子分光法や、ナノ秒パルスレーザー光電子分光法などを用いて数々の業績を上げた。多数の基本的有機分子の光電子スペクトルを測定し、理論計算に基づくイオン化ポテンシャルの帰属を行った。レーザーを光源とした、新たな高分解能光電子分光法の開発を精力的に行い、パルスレーザーによる多光子励起光電子の飛行時間分析を組み合わせた「電子励起状態からの光電子分光法」を確立した。また、レーザー光電子分光法から見た励起分子の動的過程の研究において大きな成果を上げた。さらに、しきい光電子測定とレーザー多光子励起を組み合わせた「ゼロ運動エネルギー光電子分光法」の開発にも着手し、大きな成果を上げた。パルス電場を用いた短距離飛行型の高感度なゼロ運動エネルギー電子アナライザーの開発も行った。超高リュードベリ電子を選別する2段階パルス電場法を考案し、光電子分光法の分解能をさらに向上させた。

芳香族分子の回転異性体の研究や、ファンデルワールス (vdW) 錯体の研究で大きな成果を上げた。特に一酸化窒素-アルゴンアニリン-アルゴンvdW錯体についての研究では、ゼロ運動エネルギー光電子分光法がvdW錯体カチオンの研究に非常に有用だということを世界に先駆けて示された研究例である。

主な著書

  • 『光と原子・分子の電子構造』(共立出版株式会社、1972年)
  • HANDBOOK OF HeI PHOTOELECTRON SPECTRA OF FUNDAMENTAL ORGANIC MOLECULES - Ionization Energies, Ab initio Assignments, and Valence Electronic Structure for 200 Molecules(JAPAN SCIENTIFIC SOCIETIES PRESS, Tokyo, HALSTED PRESS, New York, 1981, ISBN 0470272007
  • 日本分光学会 測定法シリーズ 30 『分子の光電子スペクトルとイオン状態』(学会出版センター、1995年)、ISBN 4762298093 C3343

脚注

  1. ^ 『北海道年鑑 昭和55年版』北海道新聞社、1980年、p.804。
  2. ^ 『岡高同窓会名簿 1986』 愛知県立岡崎高等学校同窓会長、1986年10月1日、p.151。



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