最小分散性
推定量の 有効性 を示す一つの指標として 最小分散性 が挙げられる。
母平均値 μ,母分散 σ2 の正規分布 N(μ,σ2)に従って分布する 2 つの独立な確率変数 X,Y から母平均 μ を推定する場合, a + b = 1 ( a ≧ 0, b ≧ 0 )であれば,Z = a X + b Y は,E[ Z ] = a E[ X ] + b E[ Y ] = ( a + b ) μ なので不偏推定量になる。しかし,a(または b)の選び方によって,確率変数 Z の作り方は無数にある。
ところで,Z の分散は
V[Z] = a2 V[X]+ b2 V[Y] = ( a2 + b2 ) σ2 ≧ 2 a b σ2
となるから,a = b = 1 / 2 つまり Z = ( X + Y ) / 2 のとき Z の分散は最小値 σ2 / 2 をとる。
このように,母数 θ の推定量



を最小にする推定量は,最小分散推定量 と呼ばれ,推定量が満たすべき望ましい基準とされている。
なお,不偏でしかも最小分散性を満たす推定量は,最良線形不偏推定量 と呼ばれる。
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