星間物質としての化学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/31 18:09 UTC 版)
「イソシアン化水素」の記事における「星間物質としての化学」の解説
HNCは、濃い分子雲の中で主な物質として見られるため、星間物質として普遍的なものである。その存在量は、他の窒素含有化合物の存在量と密接に関連している。HNCは主にHNCH+ とH2NC+ との解離性再結合により生成し、主にH3+とC+のイオン-中性反応により破壊される。濃い分子雲形成の初期段階である3.16 × 105年及び典型的な温度である20 Kの条件で速度計算を行った結果が以下の表である。 Formation ReactionsReactant 1 Reactant 2 Product 1 Product 2 Rate constant Rate/[H2]2 Relative Rate HCNH+ e- HNC H 6992950000000000000♠9.50×10−8 6975476000000000000♠4.76×10−25 3.4 H2NC+ e- HNC H 6993180000000000000♠1.80×10−7 6975138999999999999♠1.39×10−25 1.0 Destruction ReactionsReactant 1 Reactant 2 Product 1 Product 2 Rate constant Rate/[H2]2 Relative Rate H+3 HNC HCNH+ H2 6991809999999999999♠8.10×10−9 6976125999999999999♠1.26×10−24 1.7 C+ HNC C2N+ H 6991310000000000000♠3.10×10−9 6975748000000000000♠7.48×10−25 1.0 これら4つの反応は最も支配的なものであり、したがって密な分子雲におけるHNCの形成において最も重要なものである。 HNCの形成と破壊には、さらに何十もの反応がある。これらの反応は様々なプロトン化分子を生成するため、HNCは、アンモニアやシアン化物等の他の多くの窒素含有分子の存在量と密接に関連する。HNCの存在量はHCNの存在量とも関連しており、これら2つの分子は環境に応じて特殊な比率で存在する傾向にある。これは、HNCを生成する反応ではしばしばHCNも生じ、反応が起こる条件に依存して、両者の異性化反応も存在するためである。
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