方正函数への拡張
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/03/05 01:22 UTC 版)
函数 f: [a, b] → R が方正函数(英語版)であるとは、それが [a, b] 上の階段函数列の一様極限となることである。これは以下のような(同値な)言い換えができる: 階段函数列 (φn)n∈N が存在して ‖φn − f‖∞ → 0 (n → ∞) とできる。 各 ε > 0 に対して階段函数 φε が存在して ‖φε − f ‖∞ < ε とできる。 f は階段函数全体の成す空間の閉包に属する。ただし、閉包は [a, b] → R なる有界函数全体の成す空間の中で、一様ノルム ‖-‖∞ に関して取る。 任意の t ∈ [a, b) に対して右側極限 が存在し、かつ任意の t ∈ (a, b] に対して左側極限 が存在する。 方正函数 f の積分を、f を一様極限に持つ任意の階段函数列 (φn)n∈N により、 として定める。 ここで、極限が存在することおよびその極限が近似列の取り方に依らないことは確認すべき事項であるが、それは初等的な函数解析学における連続線型拡張定理 「ノルム空間 E の稠密部分線型空間 E0 上定義され、バナッハ空間 F に値をとる有界線型作用素 T0 は、自身と同じ(有限な値の)作用素ノルムを持つ有界線型作用素 T: E → F に一意的に延長できる」 から直ちに得られる。
※この「方正函数への拡張」の解説は、「方正積分」の解説の一部です。
「方正函数への拡張」を含む「方正積分」の記事については、「方正積分」の概要を参照ください。
- 方正函数への拡張のページへのリンク