新種記載と第2、第3の産地
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/11 07:35 UTC 版)
「ガッサントリカブト」の記事における「新種記載と第2、第3の産地」の解説
2001年9月に、山形県の植物研究者である加藤信英は、山形県月山においてトリカブト属の1種を採集し、それを植物学者の門田裕一に送った。門田らが2002年8月に実施した月山での現地調査の結果、オクトリカブト A. japonicum subsp. subcuneatum に似るが、葉質が薄く、茎葉は3中裂すること、花柄に密生する屈毛がやや短いこと、染色体数がオクトリカブトと異なり、2n=16の2倍体であること等から、門田によって新種とされ、2003年2月に記載発表された。新種発表当時は、本種は月山固有の種とされ、月山山塊では、高地にミヤマトリカブト A. nipponicum が、山地帯下部にはオクトリカブトが生育し、それら2n=32の4倍体種に挟まれたエリアに本種が生育することが分かった。あわせて、それまで飯豊山の山形県側のみに生育するとされた、2倍体種であるイイデトリカブトが、本種と同所的に生育することが見いだされた。 2003年9月には、福島県在住の植物研究者が吾妻連峰の福島県側で本種に似たトリカブト属の小群落を見いだした。調査の結果、オクトリカブトに似ているが、月山固有種とされたガッサントリカブトであることが分かり、福島県にも本種が分布していることが分かった。また、門田は、過去に月山で採集されたオクトリカブトとされる標本を調査した結果、本種であることが判明した。さらに、2003年9月の門田による月山の再調査の結果、月山南面の稜線に本種のいくつかの群落が見いだされ、100個体を超える群落も認められた。また、2004年9月には、山形県在住の植物研究者と博物館学芸員による情報により、山形県側の朝日連峰に本種が生育していることが確認された。
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