擁翠園とは? わかりやすく解説

擁翠園

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/20 01:46 UTC 版)

擁翠園

擁翠園(ようすいえん)は、京都府京都市にある池泉回遊式日本庭園。京都市の文化財に指定されている。

沿革

室町幕府第三代将軍足利義満の管領細川満元が、応永年間に金閣寺造営の余材で邸宅を築く。応永33年(1426年)、満元没後、岩栖院という寺に改められる。

慶長15年(1610年)、徳川家康はこの岩栖院を南禅寺に移し、刀装の彫金師後藤長乗にこの地を与える。長乗は放鷹術に優れ家康から寵愛された人物である。長乗は後に擁翠園といわれた庭を造営した。庭園は琵琶湖を模し、船倉・名石を配し、後藤藤(フジ)が植えられた。長乗の二男後藤覚乗(勘兵衛)は、加賀藩主前田利常に仕え、寵愛された。擁翠園は利常の資金援助を受けて、小堀遠州によって庭が補作された。また、同じく小堀遠州作の13の窓を持つ「擁翠亭」という小間茶室や、書院も建造された。同茶室は、現在太閤山荘に移築されている。寛文5年(1665年)、一条関白夫人は、晩年、紀州徳川家の浜御殿を移築し、この地に住んだという。

近代に移り、三井家の別邸となっていたこの地は1953年(昭和28年)、旧郵政省の所有となり、京都地方貯金局→京都貯金事務センターの敷地内の庭園となった。郵政省時代は春・秋の週末に一般公開が行われていた。2004年(平成16年)、郵政省、郵政事業庁のあとを引き継いだ日本郵政公社は、合理化に伴い近畿地方の貯金事務センター業務を大阪に集約することにし、京都貯金事務センターは閉鎖され、一般公開も行われなくなった。その後日本郵政公社は土地の高値売却を目指すため、擁翠園の保存を行わずに売却する方針を示したが、市議会や地元の反対が表面化し、売却条件に庭園の保全を含めることになる。2007年(平成19年)、日本郵政公社のあとを引き継いだ日本郵政は、旧・京都貯金事務センターの敷地を競売にかけ、民間の医療機器会社アークレイの所有となった。2011年(平成23年)、アークレイの京都研究所が完成し庭園は整備されたが、一般公開は行われていない。

名鉄犬山ホテル有楽苑にある「岩栖門」(がんすもん)という唐門は、かつて擁翠園にあったものであり、太閤山荘の「擁翠亭」とともに往時を偲ばせるものである。

利用情報

  • 非公開

所在地

  • 京都市上京区鞍馬口通新町東入岩栖院町59番地

交通アクセス

外部リンク


擁翠園

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/30 04:31 UTC 版)

土井茂 (実業家)」の記事における「擁翠園」の解説

その後日本郵政公社京都貯金事務センター跡地入札参加し41億円にて買収する。この跡地には、室町時代管領である細川満元築いた邸宅にはじまる庭園があり、江戸時代征夷大将軍となった徳川家康より与えられ金工師後藤長乗が造営、子の覚乗が小堀遠州依頼し補作した。 アークレイグループの研究施設移設併せ庭園整備した

※この「擁翠園」の解説は、「土井茂 (実業家)」の解説の一部です。
「擁翠園」を含む「土井茂 (実業家)」の記事については、「土井茂 (実業家)」の概要を参照ください。

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