推定音価の改良
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 02:45 UTC 版)
伝統的な解釈は、とくに摩擦音と強勢音の音価推定に関して難があり、これを改良するためのいくつかの案が提唱されている。ただし、すべての学者がこれらの案に同意しているわけではない。 側面音説:従来 *ś と再構されてきた音を無声歯茎側面摩擦音 *ɬ とする。また、強勢音の ṣ́ (アラビア語の ḍ)についても *ɬ の強勢音とする(上の推定音の国際音声記号による表記ではすでにこの変更が反映されている)。 破擦音説:従来摩擦音が再構されていた *s, *z, *ṣ のかわりに破擦音 *ts, *dz, *tsʼ を再構する。従来 *š とされてきた音の方が単なる *s であったかもしれない。 放出音説:従来強勢音は咽頭化子音が再構されていたが(*ṭ *ṣ *ṱ *ṣ́ *q、ただしqは口蓋垂音)、かわりに放出音 *tʼ *(t)sʼ *θʼ *(t)ɬʼ *kʼ を再構する。
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