後づけ的に挿入された黙字
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/17 14:28 UTC 版)
語源を意識して綴りを改変することが少なからず行われてきた。 例として、 doubt, debt, subtle, receipt, isle, island, foreign など。 doubt, debt, subtle, receipt, isle は、借入当時(→ノルマン・コンクエスト)の古いフランス語 douter, dete, soutil, receite, i(s)le (現代フランス語: douter, dette, subtil, reçu, île)を借入したものだが、後になってわざわざ黙字の b, p, s を足している。これは語源たるラテン語の形 dubitare, debitum, subtilis, recepta, insula に少しでも近づけようという意図によるものであったとされる。 island は、古英語 igland に由来し、中期には「イーランド」のごとく発音されていたと考えられる。 この語が s 音を伴って発音されるようなことはどの時代にも決してなかったのだが、たまたまほぼ同義の isle という語(上記)が入ってきたことから影響を受け、民間語源的に s を入れて綴るようになったもの。foreign も類例で、ラテン語 foranus から古フランス語 forain を経て来た g 音とは無縁の語だったのだが、reign からの類推でやはり民間語源的に g が挿入された。 このような例はほかにも多数見られる。
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