彫り・摺り
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/18 05:39 UTC 版)
本作では女性美の表現のために彫り・摺りにも特に注意が払われている。生え際の毛髪を一本一本表現する毛彫の技法は、師匠格の職人が手がける高度な技法であるが、本作では1mmの間隔の間に何本もの線が彫られ、眉毛や睫毛にも同様の技法が用いられている。毛髪について芳年は、自身の版下絵の通りに彫るよう特に彫師に注文を出したという。女性たちの着物の柄の細かさにも彫師のこだわりが表れている。摺りでは、例えば「けむさう」(6) においては、灰色の煙に薄い茶色のぼかしを入れて濃淡を表現し、さらに部分的にのみ後方の着物や団扇を刷ることで霞んで見える効果を狙っている。
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