当てはまらない例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/04 13:46 UTC 版)
有理数の集合は線型連続体ではない。性質b)を満たしても、a)は満たさないからである。 A = { x ∈ Q ∣ x < 2 } {\displaystyle \quad A=\{x\in \mathbb {Q} \mid x<{\sqrt {2}}\}} という部分集合を考えてみよ。これは、例えば3はA のどの元よりも大きいことから、A は上に有界である。しかし、有理数の上限を持たない。 通常の順序の非負整数の集合は線型連続体でない。性質a)は満足する。(A を非負整数の部分集合とすると、これは上に有界である。A は有限であるから最大元が存在する。その最大元が上限である。)その一方で、性質b)は満足しない。実際、5も6も非負整数である。しかし、5と6の間に非負整数は存在しないことから、稠密ではない。 通常の順序での0以外の実数の集合 A = ( − ∞ , 0 ) ∪ ( 0 , ∞ ) {\displaystyle A=(-\infty ,0)\cup (0,\infty )} は線型連続体でない。性質b)は自明に満たす。しかし、B を負の実数の集合 B = ( − ∞ , 0 ) {\displaystyle B=(-\infty ,0)} とすると、B はA の部分集合であり、上に有界である(例えば1はB の上界である)。しかし、B には上限が存在しない。ただし、0はA の元ではないことからB の上界でないことに注意せよ。 Z − {\displaystyle Z_{-}} を負の整数の集合、A を A = ( 0 , 5 ) ∪ ( 5 , ∞ ) {\displaystyle A=(0,5)\cup (5,\infty )} として、S を S = Z − ∪ A {\displaystyle S=Z_{-}\cup A} としよう。そのとき、S はa)もb)も満たさない。その証明は上記と同様である。
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