弱点と制限
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/25 10:20 UTC 版)
「X10 (工業規格)」の記事における「弱点と制限」の解説
北アメリカでは単相3線式(120V/240V)が一般的だが、X10 の信号が急激に減衰してしまう場合がある。120Vの機器はどちらか一方の電圧線に接続されるが、両方の電圧線にX10信号が届くには、途中で変圧器を通らなければならない。しかし、X10信号は変圧器を通して伝播することは期待できない。特に240Vのストーブやドライヤーといった機器をON/OFFしたときに状態が変化して信号が途切れる(それらの機器がON状態のとき、2つの電圧線の間の低インピーダンスブリッジとして働く)。これに対処するには、2つの電圧線の間にコンデンサを接続してX10信号がそこを通るようにすればよい。三相交流の場合も似たような対処が必要になる。 漏電遮断器によってX10信号が減衰することもある。 また、ノイズをX10データフレームと誤認して機器の電源が不意にON/OFFされることがある。ノイズフィルタでノイズを除去できる可能性はあるが、X10に対応していないノイズフィルタではX10信号も除去されてしまう。また、コンピュータなどの電源回路ではコンデンサで2本の線が繋がっていることがあり、X10信号がそこで折り返してしまってそこから先の機器に届かないことがある。 コントローラが複数ある場合、それらが同時に送信すると衝突が発生し、受信側がデコードできなくなる。 X10プロトコルは低速である。一回のコマンド送信に4分の3秒ほどかかる。そのため、コンピュータで制御する場合などにその遅延時間を考慮する必要がある。
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