引き出し症状
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/05 15:04 UTC 版)
引き出し症状(英:drawer sign、独:Schubladensymptom)は十字靭帯断裂時に見られる症候である。前十字靭帯は大腿骨に対し脛骨の前方への移動を制御しているため、断裂した場合には大腿に対して下腿が異常に前方に移動することが他覚的に確認される。これとは逆に後十字靭帯は大腿骨に対し脛骨が後方へ落ち込むのを制御しているため、断裂した場合には下腿が後方に移動することが確認される。 前方引き出し、後方引き出しなどの症状を検査する具体的な引き出しテストには2つの実施方法がある。被検者を仰臥位として股関節を45度屈曲し、膝関節は90度屈曲位にして十分に力を抜かせ、足背が動かないように固定する。この状態で両手を下腿上方に当て、前方もしくは後方へ移動させて変位を診察する。もう1つの方法は被検者を椅子などで座位にし、下腿を下垂させて行うものである。いずれの場合も必ず両側を検査して比較することが重要である。
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