広島市佐伯区スーパー強盗殺人事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/08 03:13 UTC 版)
広島市佐伯区スーパー強盗殺人事件 | |
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正式名称 | スーパー店員被害強盗殺人事件 |
場所 | ![]() |
座標 | |
標的 | 男性従業員(当時36歳)[1] |
日付 | 2000年(平成12年)9月3日[1] 午後9時すぎ[1] (UTC+9) |
概要 | 何者かが「マルショク五日市店」に侵入し、店内の片付けをしていた男性従業員をがまかつ製フィッシングナイフで切り付けて殺害し、現金数千円と預金通帳の入っていた手提げ金庫などを奪った[2][3][1]。 |
攻撃手段 | がまかつ製フィッシングナイフで切り付ける[4] |
攻撃側人数 | 1人[1] |
武器 | がまかつ製フィッシングナイフ[4] |
死亡者 | 1人[1] |
損害 | |
犯人 | 不明[1] |
容疑 | 強盗殺人[1] |
動機 | 金銭目的の可能性が高い[5] |
対処 | 広島県警察捜査一課と佐伯警察署捜査本部が捜査中[注 1][1] |
管轄 | 広島県警察(捜査一課・佐伯警察署[1]) |
広島市佐伯区スーパー強盗殺人事件(ひろしましさえきくスーパーごうとうさつじんじけん)とは、2000年(平成12年)9月3日に広島県広島市佐伯区で発生した強盗殺人事件[9]。犯人が未だ逮捕されていない未解決事件である[1]。
概要
2000年(平成12年)9月3日午後11時40分ごろ、広島県広島市佐伯区五日市中央四丁目のスーパーマーケット「マルショク五日市店」の商品搬入口で男性従業員(当時36歳)が仰向けで血を流して死んでいるのを同スーパーマーケットの警備員が発見した[10][6]。男性従業員は9月3日午後9時の閉店後、1人でスーパーマーケット内に残って後片付けをしていたとみられる[6][10]。同店の警報装置が定時の同10時になっても設定されなかったため、不審に思った警備会社が警備員を派遣したところ、商品搬入口で倒れている男性従業員を発見、事件が発覚した[6]。
店内から現金数千円と預金通帳の入っていた手提げ金庫や被害者の運転免許証や携帯電話、被害者が所有していた乗用車の鍵が無くなっていた[10][2]。他にも被害者の眼鏡がなくなっており、犯人の物と思われるサングラスが残されていたことから、犯人が間違って持ち去った可能性も高いと考えられていた[2]。一方、店内の事務所に置かれていた金庫内の売上金約300万円は手付かずであった[5]。
捜査経過
広島県警察捜査一課は殺人事件と断定し、広島西警察署に捜査本部を設置した[6]。
司法解剖の結果、被害者は首や顔など数か所を刃物の様なもので切られていた[10]。被害者の左手には犯人に抵抗した際についた傷が残っていた[10]。被害者が倒れていた商品搬入口からおよそ50メートル北側にある駐車場には血痕が残されていた[11]。被害者を刺した際のものか、犯人の傷からの出血と見られた[11]。
その後の調べで、現場から約5キロメートル離れた広島市西区の太田川放水路河口付近で現場から奪われていた手提げ金庫や被害者の眼鏡、免許証が発見された[3]。手提げ金庫は鍵が開けられており、中身は空だった[3]。免許証は細かく切り刻まれていた。金庫の付近からは凶器と見られる血液の付いたナイフが見つかった[3]。
捜査に投入された警察官は計18万9000人に上っているが、犯行の瞬間や犯人を目撃した人がほとんどおらず、犯行動機も絞り切れていないことから解決の糸口は見つかっていない[注 2][5][12][1]。また、捜査本部にはこれまでに208件の情報提供があったが、2014年は3件、2015年も1件にとどまるなど情報提供は年々少なくなっている[13][14][1]。
犯人と思われる男
目撃証言等から判断した犯人像は以下の通り[15]。
- 年齢:30〜50歳
- 身長:150〜162センチメートル
- 体格:頬がふっくらとした小太り
- 着衣:紺色作業ズボン(広島県府中市の被服会社製「ベトナムズボン」ウエスト82センチメートル、股下61センチメートルに裾あげ[16])
- 靴:25〜25.センチメートル(アサヒコーポレーション製「ブリヂストン195」サイズ25〜25.5センチメートル、黒色タイプ有[17])
遺留品
- 凶器と見られているナイフ。がまかつ製フィッシングナイフ「GM-202」初回版(1990年(平成2年)10月・11月に出荷)刃渡り10cm[18]。
- アサヒコーポレーション製「ブリヂストン195」サイズ25〜25.5センチメートル(遺留品ではないが現場に残された足跡から判明)
- 犯人のものだと思われるべっ甲模様のフレームでフランス製のサングラス[2]。
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d e f g h i j k l m n 『読売新聞』2025年9月4日 広島 大阪朝刊 広島22頁「佐伯区強殺25年 情報求む=広島」(読売新聞大阪本社)
- ^ a b c d e f g h 『読売新聞』2000年9月13日 広島 大阪朝刊 広島27頁「佐伯のスーパー殺人 犯人のサングラス? 現場で発見 県警、入手先捜査=広島」(読売新聞大阪本社)
- ^ a b c d e 『読売新聞』2000年9月17日 広島 大阪朝刊 広島31頁「佐伯区のスーパー殺人 放水路に盗まれた?金庫 血付着したナイフも=広島」(読売新聞大阪本社)
- ^ a b 『読売新聞』2001年4月26日 広島 大阪朝刊 広西北31頁「佐伯区のスーパー店員強殺事件 凶器の特徴など公表 県警捜査本部=広島」(読売新聞大阪本社)
- ^ a b c d 『朝日新聞』2000年9月10日 朝刊 広島1 37頁「物証乏しくなぞ多い 広島市のスーパー従業員殺人から1週間/広島」(朝日新聞大阪本社)
- ^ a b c d e 『読売新聞』2000年9月4日 全国版 大阪夕刊 夕社会15頁「閉店後、スーパー主任殺害 首や顔など刃物で切られ/広島県警」(読売新聞大阪本社)
- ^ 『朝日新聞』2011年12月8日 朝刊 広島1・1地方31頁「「佐伯警察署」13年秋新設へ 県議会に関連議案 /広島県」(朝日新聞大阪本社)
- ^ 『朝日新聞』2013年9月3日 朝刊 広島1・1地方31頁「未解決事件の捜査本部、新設の佐伯署に 13年前のスーパー刺殺 /広島県」(朝日新聞大阪本社)
- ^ 「店長刺殺:スーパーで手提げ金庫奪われる 広島」『毎日新聞』毎日新聞社、2000年9月4日。オリジナルの2001年2月20日時点におけるアーカイブ。2024年10月27日閲覧。
- ^ a b c d e 「殺人事件:スーパー店員が商品搬入通路で刺され死亡 広島」『毎日新聞』毎日新聞社、2000年9月4日。オリジナルの2001年2月20日時点におけるアーカイブ。2024年10月27日閲覧。
- ^ a b 『読売新聞』2000年9月6日 広島 大阪朝刊 広島25頁「佐伯区のスーパー殺人 駐車場まで血痕50メートル 逃走車両を準備?=広島」(読売新聞大阪本社)
- ^ 『読売新聞』2001年9月9日 広島 大阪朝刊 広島31頁「[ルポ広島] 佐伯区のスーパー主任殺人から1年 目撃者なく捜査難航=広島」(読売新聞大阪本社)
- ^ “五日市スーパー強盗殺人事件から15年”. RCC (2015年9月3日). 2015年9月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年9月4日閲覧。
- ^ 『読売新聞』2024年9月4日 広島 大阪朝刊 広島23頁「佐伯区強殺24年 県警が情報求む=広島」(読売新聞大阪本社)
- ^ “スーパー従業員被害強盗殺人事件-犯人像”. 広島県警察 (2024年7月30日). 2025年9月7日閲覧。
- ^ “スーパー従業員被害強盗殺人事件-作業ズボン”. 広島県警察 (2024年7月26日). 2025年9月7日閲覧。
- ^ “スーパー従業員被害強盗殺人事件-運動靴”. 広島県警察 (2024年7月26日). 2025年9月7日閲覧。
- ^ “スーパー従業員被害強盗殺人事件-凶器”. 広島県警察 (2024年7月26日). 2025年9月7日閲覧。
関連項目
- 広島市中区地下道16歳少女刺殺事件 - 同年に同じく広島市で発生した未解決事件
外部リンク
固有名詞の分類
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