平衡溶媒効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 00:51 UTC 版)
溶媒は反応速度に遷移状態理論に基づいて説明できる平衡溶媒効果を与える。要点を言えば、反応速度は始状態と遷移状態とで異なる溶媒和に起因する溶媒の影響を被る。反応物分子が遷移状態に移行する際、溶媒分子は再配向して遷移状態を安定化する。遷移状態が始状態よりもより大きく安定化されるとき、反応速度は上昇する。始状態が遷移状態よりも大きく安定化されるとき、反応速度は低下する。しかし、溶媒和が異なるためには、溶媒再配向緩和(遷移状態配向から基底状態配向へ逆行)が十分に速い必要がある。したがって、平衡溶媒効果は鋭い障壁と弱い双極子を持ち、緩和の速い溶媒において観測される傾向にある。
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