工藤景光の怪異・新田四郎の猪退治
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 14:11 UTC 版)
「富士の巻狩り」の記事における「工藤景光の怪異・新田四郎の猪退治」の解説
『吾妻鏡』によると、以下のようにある。5月27日の狩りの最中、頼朝の前に突然大鹿一頭が走ってきた。頼朝の左方に居た工藤景光は射手を願い出て3本矢を放ったが、どれも当たらなかった。この出来事に景光は「自分は11歳のころから狩猟を生業として既に70余年になるが、未だかつて獲物を仕留められなかったことはない。これはあの大鹿が山神のお乗りになる鹿に違いないからである。自分の命運も縮まった。後日皆で思い合わせてほしい」と言い、実際その日の晩に発病した。 この怪異に頼朝は狩りの中止を提言するが、宿老たちがその必要はないと進言したため継続された。『曽我物語』にはこれに相当する話として「新田四郎忠常の猪退治」があるが、『吾妻鏡』と異なり工藤景光は出てこないという大きな違いがある。 『曽我物語』の「新田四郎忠常の猪退治」の場合、手負いの大猪が突然頼朝に向かって突進し、そばに控えていた仁田忠常がとっさに大猪に飛び乗り刀を5・6度突き刺し、これを退治したという構成となっている。
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