桓雄
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/29 04:30 UTC 版)
桓雄 | |
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各種表記 | |
ハングル: | 환웅 |
漢字: | 桓雄 |
発音: |
ファヌン (ファンウン) |
日本語読み: | かんゆう |
RR式: | Hwanung |
MR式: | Hwanung |
桓雄(かんゆう、ファヌン)は、朝鮮の檀君神話に登場する神(または人物)。桓因(帝釈天、インドラ)の庶子であり、檀君の父である。
概要
『三国遺事』によると、天帝桓因の庶子で、人間を広め増やそうとして、桓因から天符印を授かり、3千人を率いて今の妙香山(原文は太白山。白頭山とする説は誤り)に天降(=神壇樹ㆍ신단수)った。そのところを「神市」といい桓雄を「桓雄天王」といった。風伯(풍백)・雨師(우사)・雲師(운사、風の神・雨の神・雲の神)が臣下として仕え、穀物・命・病気・刑罰・善悪など人間の360余りの事をつかさどり、世を治めた。熊と虎が人間になりたいと訴え、人間になることに成功した熊女との間に檀君を生んだ、という。
典型的な北方系の王権起源神話であり、元来は高句麗を経由して入ってきた夫餘系の神話だった[1]と考えられている。日本の天孫降臨神話とも同類型である。虎と熊は所謂バナナ型神話であるが、インド・ヨーロッパ語族の神話の三機能体系がみられ、大林太良は桓雄が第一機能(主権)、熊と虎が第二機能(戦闘)、熊が第三機能(豊穣)をあらわしているとした。また天符印も高句麗神話や日本神話等と共通する3つのレガリアであるが、これもスキタイ神話やケルト神話における三機能を象徴する王位の宝器と同様である[2]。韓国の歴史学者である李栄薫は、「檀君神話は創作する過程において日本神話を借用しており、一面では対決した点とともに、多面では模倣した点がみられる」と指摘している[3]。
その他
金思燁によると桓雄は古い発音では夫餘の建国神話に登場する天神「解慕漱」(ヘモス)と同名で、同一の太陽神だったと考えられ[4]、また解慕漱の子に解夫婁王がいることと、桓雄の子の檀君の子に夫婁が見えることも、両者を同人と見る説に繋がるとされる[5]。
脚注
注釈
出典
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