崩壊が分岐する場合について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/02 01:38 UTC 版)
「半減期」の記事における「崩壊が分岐する場合について」の解説
ある放射性物質が一定の確率で、n個の別の核種(より正確には別の崩壊モードで崩壊することである)にそれぞれ崩壊する場合、全崩壊定数 λ(分岐を問わずに崩壊する確率)はi番目に崩壊する崩壊定数を λi とすれば、 λ = ∑ i = 1 n λ i = λ 1 + λ 2 + ⋯ + λ n {\displaystyle \lambda =\sum _{i=1}^{n}\lambda _{i}=\lambda _{1}+\lambda _{2}+\dotsb +\lambda _{n}} という関係が成り立つ。崩壊定数は半減期の逆数であるため ln ( 2 ) T 1 / 2 = λ {\displaystyle {\frac {\ln(2)}{T_{1/2}}}=\lambda } という関係が成立する。つまり、同じ核種が異なる半減期 ti や崩壊モードで複数の娘核種・状態に壊変する現象では上記式に代入することによって 1 T = ln ( 2 ) ∑ i = 1 n 1 t i = ln ( 2 ) ( 1 t 1 + 1 t 2 + ⋯ + 1 t n ) {\displaystyle {\frac {1}{T}}=\ln(2)\sum _{i=1}^{n}{\frac {1}{t_{i}}}=\ln(2)\left({\frac {1}{t_{1}}}+{\frac {1}{t_{2}}}+\dotsb +{\frac {1}{t_{n}}}\right)} のような関係が得られる。ここで1/Tは全半減期である。これが崩壊定数の総和と同値であることは明らかであろう。また平均寿命については崩壊定数と逆数であるため、(どのような崩壊かを問わずに)崩壊する場合の平均寿命についてはその各々の平均寿命の逆数の総和が、前者について成立するということである。つまり 1 τ = ∑ i = 1 n 1 τ i = 1 τ 1 + 1 τ 2 + ⋯ + 1 τ n {\displaystyle {\frac {1}{\tau }}=\sum _{i=1}^{n}{\frac {1}{\tau _{i}}}={\frac {1}{\tau _{1}}}+{\frac {1}{\tau _{2}}}+\dotsb +{\frac {1}{\tau _{n}}}} であり、 ∑ i = 1 n 1 τ i = ∑ i = 1 n λ i {\displaystyle \sum _{i=1}^{n}{\frac {1}{\tau _{i}}}=\sum _{i=1}^{n}\lambda _{i}} という関係が成立するという意味である。 これを仮に全崩壊定数と名付け、ここで全崩壊定数を λ とおいたとき、各々の事象 λ1、λ2、... に崩壊する確率はそれぞれ λ1/λ、λ2/λ、... によって与えられ、これを分岐比と呼ぶ。
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