局所麻酔薬と光学異性体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/28 23:25 UTC 版)
光学異性体とは、分子を構成する原子の組成および結合状態は同一であるが、立体構造が異なる分子を言う。メピバカイン、ブピバカイン、ロピバカインには光学異性体が存在する。従来の局所麻酔薬はR体(右旋性)とS体 (左旋性) を等量含んだラセミ体として使用されてきたものの、光学異性体の間で麻酔の効果や心毒性に差が見られることが分かってきた。市販されているロピバカイン製剤であるアナペインは、局所麻酔作用が強く、心血管系への作用が少ないS体のみを製剤化し安全性を高めている。同様に、S体のブピバカインのみを製剤化したものがレボブピバカインである。レボブピバカインは、ラセミ体のブピバカインと比べ効力は同等であるのに対して、心毒性は弱い。
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