対人管轄
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/09 01:13 UTC 版)
「権利放棄条項 (英米法)」の記事における「対人管轄」の解説
アイルランド保険社対ギニアボーキサイト社事件(''Insurance Corp. of Ireland v. Compagnie des Bauxites de Guinee'', 456 U.S. 694 (1982)) において、米国最高裁判所は、ある争点に関して一方当事者が裁判所の証拠提出命令に従わない場合は、当該争点に関して争う権利の放棄とみなし、反対当事者の利益となるような証拠が提出されたものと推定することができると判示した。 この判例において、被告は、裁判所が被告に対する対人管轄権を有しないと主張していたにも関わらず、当該管轄権の不存在を立証する証拠の提出は拒んでいた。被告は、米国裁判所が対人管轄権を有しない以上、被告に対し何らの証拠提出命令をなしうる権限も有しないと主張していたのである。米国最高裁判所はこの主張を排斥し、被告の不服従により管轄権を争う権利は放棄されたとして、あたかも被告が当初から管轄権を全く争っていなかったかのように扱った。
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