宮崎斗士とは? わかりやすく解説

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宮崎斗士

宮崎斗士の俳句

「風ですか」「光ですね」とえのころ草
おぼろ夜の楽譜にひとつ疑問点
すもも買う破船のように静かな日
すーっと春わが洗面器わが水面
そそっかしいシンバル奏者春嵐
ぺしゃんこの折鶴広げゆく葛湯
みんな笑顔雪合戦の一球目
もうすぐ春シャンプー中の犬走る
カンガルーと目が合う少女夏が来た
コントラバス定位置にあり風花す
タオルに顔うずめる五秒年新た
トマト畑歌声を生む雲ひとつ
トルソーの増えてゆく部屋黄金虫
バックミラーに向日葵今だったら言える
一本の氷柱弔辞を読み終わる
不眠症のきっかけは虹ホームレス
丸裸どんどん空を持ってこい
冬の薔薇無口になるために叫ぶ
冬の薔薇自分をことごとく絶版
夏三日月いま落胆のホイッスル
天の川零歳の指なにがしたい
天文学っておおむね静かふきのとう
婚期かな積まれた本の上に虻
少年ひとり夏蝶追うたびに回廊
尺取虫街少しずつバリアフリー
恋人を黄と紺で描く九月尽
日本語の違う父と娘夜長かな
昏睡の人のてのひら鶴よ来い
東京暮らしはどこか棒読み蜆汁
柚子ひとつ妊婦と妊婦そっと握手
柿の色とにかく生きなさいの色
桐の花聖書はじめて読む少年
樹齢という静かな数字つぐみ来る
氷湖ありもう限界のボクサーに
永き日を父の鉛筆子のえんぴつ
治虫忌や抜歯のあとの青い空
海ほおずき写真届けに来ただけです
猫の子に石かな切り株かな空だ
疲れたかな一羽の冬かもめに夢中
目借時たとえばケーキ切る感触
石榴割れAKBがいっせいに
祖母の声茉莉花匂う闇がある
笑わない人草笛で吹く国歌
聖五月すべてが球になるアニメ
背泳ぎや太陽があるちょっと照れる
舌に付く一本の髪十六夜は
花柚子や筆談まずは自己紹介
花菜だったり燕だったり介護の手
蓑虫を「旅」と名づける揺らしてみる
蛭がいて語尾の尖ってゆく会議
 

宮崎斗士

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/27 17:10 UTC 版)

宮崎 斗士(みやざき とし 、1962年1月12日 - )は、俳人。「海原」副編集人。「青山俳句工場05」編集・発行人。

東京都生まれ。調布市在住。金子兜太主宰の「海程」に学び、第5回海程会賞、第45回海程賞受賞。2009年、「尺取虫」30句で第27回現代俳句新人賞受賞。句集に『翌朝回路』(2005年、六花書林)、『そんな青』(2014年、同)がある。「ライラックの香りは四百字ぴったり」「東京暮らしはどこか棒読み蜆汁」「五十音の国に生まれて生きて鮎」など、口語調の独創的な比喩を持つ句を作っており、小野裕三はその句に「二物衝撃」ならぬ「三物浮遊」の構造がしばしば見られると指摘している(『そんな青』栞)。現代俳句協会会員。

来歴

  • 1989年頃 作句開始
  • 1993年 アンソロジー〈燿―「俳句空間」新鋭作家集Ⅱ〉に参加
  • 1996年 「海程」(主宰・金子兜太)に入会
  • 1997年 超結社句会「青山俳句工場」を発足
  • 2000年 「海程」同人になる
  • 2004年 第5回海程会賞受賞
  • 2005年 第1句集『翌朝回路』(六花書林)上梓、機関誌「青山俳句工場05」を創刊(隔月刊)
  • 2009年 第45回海程賞受賞、第27回現代俳句新人賞受賞
  • 2014年 第2句集『そんな青』(六花書林)上梓
  • 2015年 現代俳句協会研修部長に就任、現代俳句協会添削教室講師に就任( - 2021年)
  • 2018年 現代俳句新人賞選考委員に就任( - 2020年)、「海程」終刊、「海程」後継誌「海原」創刊、「海原」副編集人に就任
  • 2021年 現代俳句協会研修部長を退任、現代俳句協会顕彰部長に就任
  • 2022年 第13回北斗賞 (俳句)選考委員に就任 
  • 2024年 現代俳句協会俳句教室・金曜教室講師に就任
  • 2025年 「海原」発行人に就任(「海原」副編集人と兼務)

参考文献

  • 宇多喜代子 『戦後生まれの俳人たち』 毎日新聞社、2012年
  • 宮崎斗士 『そんな青』栞、六花書林、2014年

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