客扱終了合図とは? わかりやすく解説

客扱終了合図

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/02/10 15:55 UTC 版)

客扱終了合図(きゃくあつかいしゅうりょうあいず)は、列車を駅から出発させる際、駅係員(主にホーム担当の輸送主任あるいは当務駅長)が車掌に対して、旅客の乗降が終了したことを伝える合図である。車掌はこの合図を受けてドアを閉める。ワンマン運転を行っている地下鉄などでは、運転士に向けて合図を送る。「客終」と省略することもある。また、呼称も乗降終了合図(じょうこうしゅうりょうあいず)、戸閉合図表示機(とへいあいずひょうじき)など、事業者により異なる。特急列車において検札のためのドアカットする場合においても使用されることがある。

Osaka Metro御堂筋線の戸閉合図表示(「出発可」の表示。「閉扉可」の合図は、緑色の「○」が表示されている部分に橙色で「ト」と表示される)

沿革

主に日本国内で鉄道が完成してから当初は、鉄道信号および分岐器の自動制御などがないのが当然であり、駅長自ら、もしくは配下の駅務員が閉塞を実施し進路開通を行った後、駅長が出発時機を確認の上で出発合図を出していた。しかし駅の規模が拡大し、運転本数が増えると出発合図を出すには駅長ひとりだけでは数が足りず、駅の信号扱所と各プラットホームごとに列車の運行(運転取扱)に携わる駅務員(運転取扱要員)を置き、駅長の指示のもと出発合図、または車掌に対し出発合図の許可を出す[[鉄道合図#出発指示合図]|出発指示合図]]を代理で出す必要性に迫られることとなった。後年、信号や分岐器の扱いが列車集中制御装置により集約化・自動制御化が進み、かつ貨物・荷物の取扱終了で駅の停留場化(いわゆる「棒線駅」化)が全国で進み、運転取扱要員としての駅長の必要性が低下してもなお、乗降客の増えるラッシュ時を中心に駅務員を配置して乗客の乗降時を中心に安全を確保するという、『多数の乗客を捌く』必要性は、なお残った。

20世紀末からは電子化により、プラットホーム全体を監視できる監視カメラ(車掌用ITV)の設置が進み、プラットホーム上の監視要員の必要性が低下した。さらにATOSのような列車運行管理システムの導入・浸透で、出発時機も駅長を介さず運転指令所から直接、列車の車掌および運転士に伝えられるようになったため、プラットホーム上の運転取扱要員(いわゆる「立ち番」)の必要性は運転指令所からは把握できない、『旅客の乗り降りの終了時機』のみが出発合図の条件を満たすためには必要となった。この必要性のもとで車掌に対し、扉を閉めても差し障りないことのみを扉扱いをする車掌に伝えるため、出発指示合図とは分離された鉄道合図、またはそれに相当するものの必要性があると鉄道ファンの中では認識されるに至った。この目的とされる鉄道合図が客扱終了合図である。ホームドアの設置駅も増加し、乗客の乗降促進のための発車案内放送・発車メロディの自動化が進むも、乗降客の多い駅では客扱終了合図を出す必要性はあるとされる。

作業手順

これはあくまでJRグループによる例で、異なる取り扱いをする会社(特に私鉄の場合)もある。私鉄各社は下記参照。

新幹線

  1. 進路、架線に異常が無いか確認(進路確保)。
  2. 列車到着時に付着物や前照灯切れ等の異常が無いか確認(状態監視)。
  3. 新幹線が駅到着し、車掌はドアを開ける。
  4. 到着放送・発車放送・音楽終了後、駅員がホームを確認。旅客の乗降が終了したことを確認し、笛を吹いた後、客扱終了合図ブザーを鳴らす。車掌は合図のブザー音を受けてドアを閉める。
  5. 車掌および駅員は出発監視を行う。
  6. 列車の後方確認。発車後、進路、架線に異常が無いか確認。
客扱終了合図ブザー音 「長音一声」(ブーという音を5秒以上)。
  • なお、普段は客扱終了合図ブザーが使用され、故障した場合には下記の方法が執られる。
    • 昼間 - 赤色旗を絞り高く掲げる。
    • 夜間や地下駅 - 白色灯を高く掲げる。
    • 視差確認は利き手に関わらず右手と定められており、フライ旗・合図灯は原則左手で掲げる。

JR在来線

  1. 進路、架線に異常が無いか確認(進路確保)。
  2. 列車到着時に付着物や前照灯切れ等の異常が無いか確認(状態監視)。
  3. 列車が駅に到着し、車掌はドアを開ける。
  4. 車掌(一部の駅では駅員)が発車ベルを鳴らし発車放送終了後、駅員が旅客の乗降を確認して客扱い終了合図を車掌に送る。
  5. 車掌は客扱い終了合図を確認し、ドアを閉める。一部駅では、荷物挟まりなどに対応して再開閉合図がある。
  6. 車掌および駅員は出発監視を行う。
  7. 列車の後方確認。発車後、進路、架線に異常が無いか確認。
  • JR西日本では、2010年12月1日より客扱終了表示と言い、運転業務無資格者でも行うことが出来る。方法は前述の通りであるが、腕を高く揚げ大きく円形に動かすことでも表示を行うことが出来る。
客扱い終了合図の方法
  • 客扱い終了合図器
白色灯の点灯と、ベルまたはブザーの長音一声
  • 閉扉時機合図器
閉扉時機合図器ランプの明滅。ベルまたはブザー音はない。
  • 旗もしくは合図灯による場合は、新幹線の場合と同様。
  • カーブなどで乗降が見えない駅では終日扱われるほか、ラッシュ時間帯や終電の発車時に駅員から出される。

その他の鉄道

  1. 駅員は到着監視。列車が駅に到着し、車掌はドアを開ける。
  2. 発車放送・ベル終了後、駅員が旅客の乗降終了を確認して、旗もしくは合図灯により車掌に客扱終了合図を出す。車掌はホーム監視用モニターを確認し、ドアを閉める。
  3. その後、駅員からの発車合図を受け、車掌は運転士に合図のブザーを送り、列車は出発する。
  4. 車掌・駅員は出発監視。

駅員からの旗や合図灯による客扱終了合図が車掌から直接確認できないようなホームでは、装置を使って客扱終了合図を送ることがある。

この場合

  • 乗降が終了したのでドアを閉めてもよいときは「○」(または「ト」)
  • (ドア閉め後)再開閉を要するときは「×」(赤丸表示や警報ブザーとともに「ト」(京急、阪急、京阪)を使う所もある)
  • (ドア閉め後)発車してもよいときは「●」(または「○」)

のように表示される。

  • 駅によっては放送で「降車終了」と言う業務放送を行う場合がある。

その他

  • 日本国外でも同様の合図が行われている。フライ旗を使用しているのは原則日本、台湾、タイ王国のみで、韓国、インドネシア、イギリス、フランスなどでは、丸い形のプレートが付いている棒を高く掲げることで同様の合図としている。
  • バスに対しても行われることがある。例えば西川口駅からの川口オートレース場行きは、駅階段下とバス横の二人立会で、リレー式で手合図による乗降終了合図を実施。他にも千歳烏山駅からのバスもロータリーが狭いため、交通整理を兼ねた職員により合図が送られる。黒部ダムトロリーバスではフライ旗での合図が送られている。

脚注

参考文献

関連項目


客扱終了合図

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/15 16:54 UTC 版)

「鉄道合図」の記事における「客扱終了合図」の解説

詳細は「客扱終了合図」を参照 列車を駅から発車させるときに駅係員が乗務員に対して、旅客の乗降が終了したことを伝える合図である。この合図を受けて乗務員はドアを閉める。「客終」と省略する事もある。

※この「客扱終了合図」の解説は、「鉄道合図」の解説の一部です。
「客扱終了合図」を含む「鉄道合図」の記事については、「鉄道合図」の概要を参照ください。

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