定圧条件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2021/12/02 09:19 UTC 版)
「標準反応エンタルピー」の記事における「定圧条件」の解説
定圧過程では、反応は大気圧下に開放状態で、もしくは一定の外圧がかかる容器内で系の体積が変化する条件下に系をおく。熱的変化には系の内部状態の変化だけでなく、系の膨張・収縮時に伴う仕事もかかわってくる。 このとき、熱力学第一法則により、次の式が成り立つ。 Q p = Δ E + W {\displaystyle Q_{p}=\Delta E+W} ここで、W が熱力学的仕事のみに由来する場合、次のように書ける。 Q p = Δ H = Δ E + P Δ V {\displaystyle Q_{p}=\Delta H=\Delta E+P\Delta V} Q p = ( ∑ E p − ∑ E r ) + P ( V p − V r ) {\displaystyle Q_{p}=\left(\sum E_{p}-\sum E_{r}\right)+P\left(V_{p}-V_{r}\right)} Q p = ( ∑ E p + P V p ) − ( ∑ E r + P V r ) {\displaystyle Q_{p}=\left(\sum E_{p}+PV_{p}\right)-\left(\sum E_{r}+PV_{r}\right)} ここで、エンタルピーの定義 H = E + P V {\displaystyle H=E+PV} を用いた。 したがって、 Q p = ∑ H p − ∑ H r = Δ H {\displaystyle Q_{p}=\sum H_{p}-\sum H_{\mathrm {r} }=\Delta H} と書ける。 すなわち、定圧過程では反応熱は反応系のエンタルピー変化 Δ H {\displaystyle \Delta H} と全く同一となる。
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