官能基選択性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/04/26 23:36 UTC 版)
第1にα,β-不飽和カルボニル化合物に対して1,4-付加(マイケル付加)が優先する。アルキルリチウムやグリニャール試薬が1,2-付加するのとは対照的である。 第2にケトンやエステルのカルボニル基やニトリルに対する反応性がかなり低い。そのため、α,β-不飽和カルボニル化合物に対して反応を行なうと1,4-付加した生成物で反応が止まり、飽和のケトンやエステルを得ることができる。カルボン酸ハロゲン化物やカルボン酸チオエステルと反応させると付加はケトンの段階で止めることができる。 第3にハロゲン化アルキルやスルホン酸エステルに対して求核置換反応を起こす。アルキルリチウムやグリニャール試薬は、ハロゲン化アルキルやスルホン酸エステルに対する求核置換の反応性が低く、むしろ塩基として振る舞い脱離反応が起こりやすいのとは対照的である。またケトンやエステルとの反応性が低いことから、ある程度官能基化されたユニットのカップリング反応にも使用できる。 この他にエポキシドへの求核置換反応などでもアルキルリチウムやグリニャール試薬よりも優れた反応性を示す。
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