学名・分類の異説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/12 07:49 UTC 版)
「オオトウゾクカモメ」の記事における「学名・分類の異説」の解説
オオトウゾクカモメが日本近海に産することが知られたのは、鳥類学者の松平頼孝が1917年に相模湾江ノ島沖で数個体を採集したのが最初で、このとき、鳥類学者の鷹司信輔によって「オホトウゾクカモメ(オオトウゾクカモメ)」という和名がつけられた。鷹司は1922年にいたりこの時採集された日本産のオオトウゾクカモメを新種と考えて、採集者の松平頼孝にちなんで、Catharacta matsudairaeの学名を与えた。しかしその後の検討によって、Catharacta matsudairaeはCatharacta maccormickiのシノニム(同物異名)と考えられるにいたり、現在は、日本産オオトウゾクカモメの種小名として maccormickiが用いられる。 トウゾクカモメ科の大型種をオオトウゾクカモメ属(Catharacta)、小型種をトウゾクカモメ属(Stercorarius)とする分類説に対して、トウゾクカモメ属は側系統群であるとして、トウゾクカモメ科の属名を全てStercorariusとする分類説がある。後者の説に従えばオオトウゾクカモメの学名は、Stercorarius maccormickiとなる。 ここではオオトウゾクカモメ類を4種に分ける分類説で表記している。すなわち、Catharacta chilensis(英名: Chilean Skua、和名なし)、Catharacta antarcticus(英名: Brown Skua、Southern Skua、和名なし) 、キタオオトウゾクカモメCatharacta skua (英名:Great Skua)と、オオトウゾクカモメ Catharacta maccormicki(英名:South Polar Skua)である。古くはこれらは同一種として扱われ、学名はCatharacta skua、和名はオオトウゾクカモメが用いられていた。 なお、Catharacta maccormicki South Polar Skuaに対して「ナンキョクオオトウゾクカモメ」という和名が用いられることがあるが、和名は分類の変遷にかかわらず「オオトウゾクカモメ」を用いるべきで、「ナンキョクオオトウゾクカモメ」を用いるのは妥当ではない。
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