外物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/11/08 15:58 UTC 版)
外物(とのもの)とは、日本の武士武術の流派において、中心となる技術以外の、他流の技や他の武器に対する技についての教え、そして日常の生活場面を含めて、様々な場面における心得やそこで必要とされる技法などの総称[1]。または外に出た際(厳密には建物内でも)、危急の変に備えての対処法を指し、そうした術の総称[2][3]。
- ^ 山神 真一,和田 哲也『居合と剣術の技法に関する一考察--武術における外物との関係から』香川大学教育学部研究報告. 第1部 / 香川大学教育学部 編 1987年 69号
- ^ a b c d e f g h i j k 『月刊剣道日本 特集 不動智神妙録』 1980年 pp.112 - 113
- ^ 外物は武器に限定した術ではないし(伯耆流では、当身も外物として語っている)、まして暗器を指したものでもなく、特定の武器術を指した語でもない。
- ^ 宮本武蔵は『五輪書』において、剣術に対し、「槍や薙刀を外(と)の物という」と記している。
- ^ 伯耆流居合など。流派によって指すものは異なる。少なくとも、兵法書として「外物」の語を用いている以上、「それ以外」という意味ではない。
- ^ 子を戸口で襲うといった武家の教育は、近世以降も一部で続いており、斎藤一の長男が子に対して行っている(斎藤一#剣術の晩年の方も参照)。
- ^ 読売新聞 2011年1月19日水曜付、一部参考。暗殺を恐れて常に寝室を変えるという話だけなら始皇帝の行動がある(『史記』)。徳川家康の場合、いつでも出陣できるよう、座ったまま寝たという逸話があり、忍者なら横寝をする際、必ず左半身を下にし、いきなり襲われても心臓だけは守れるような体勢で寝た。
- ^ 甲野善紀 『武術の新・人間学』 2002年
- ^ 甲野善紀 『武術の新・人間学』 PHP文庫 2002年 ISBN 4-569-57843-8 pp.73 - 74
- ^ 『新陰流外物謀略之巻』「一、囲炉裏之大事」。本項では、逸話で囲炉裏外物の例をあげる。
- ^ 例として、鎖鎌術の流派の型(二刀神影流鎖鎌術など)では、鎖分銅で長刀を奪われた側は、とっさ的に短刀を手にして最後の抵抗を試みる動作がある(予測せず、一刀を奪われた場合の短刀の使用例)。
- ^ 『歴史読本 特集天皇家の閨閥 明治・大正・昭和の皇室 昭和六十三年三月号』 新人物往来社
- ^ 『卜伝百首』では、さらに廊下や屋根の状態、宿の内外を熟知しておけと説く。
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