塩素酸塩を用いた反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/16 00:33 UTC 版)
「ヨウ素時計反応」の記事における「塩素酸塩を用いた反応」の解説
ヨウ素時計反応はヨウ素・ヨウ化カリウム(複方ヨード・グリセリン)、塩素酸ナトリウム、および過塩素酸溶媒からなる系でも起こり、以下の反応式で表される。 三ヨウ化物イオンとの平衡でヨウ素とヨウ化物イオンとが生成する。I3− → I− + I2 塩素酸イオンがヨウ化物イオンを酸化し、次亜ヨウ素酸と亜塩素酸が生成する。これは遅い反応であり、律速段階となる。ClO3− + I− + 2H+ → HOI + HClO2 次亜ヨウ素酸が生成することにより、下式の反応により塩素酸イオンの消費が加速される。このとき、亜ヨウ素酸とともに亜塩素酸が生成する。ClO3− + HOI + H+ → HIO2 + HClO2 さらに、生成した亜塩素酸も塩素酸イオンと反応し、これを消費する。これは自触媒反応であり、最も速い段階である。ClO3− + HIO2 → IO3− + HClO2 この時計反応では、誘導期は自触媒反応が始まるまでの間であり、そのあとに単体のヨウ素の濃度が急速に低下することが紫外・可視分光法により観測される。酸化剤である塩素酸イオンが消費しつくされると I5− が生成するようになり、これがデンプンと錯体を形成する。
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