塩化エルビウム(III)とは? わかりやすく解説

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塩化エルビウム(III)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/08 00:13 UTC 版)

塩化エルビウム(III)
識別情報
CAS登録番号 10138-41-7 (無水物) 
PubChem 66277
ChemSpider 59656 
UNII 867J5QOF46 
EC番号 233-385-0
特性
化学式 ErCl
3
(無水物)
ErCl
3
 · 6H2O (六水和物)
モル質量 273.62 g/mol (無水物)
381.71 g/mol (六水和物)
外観 紫色吸湿性単斜晶系結晶 (無水物)
桃色吸湿性結晶 (六水和物)
密度 4.1 g/cm3 (無水物)
融点

776 °C, 1049 K, 1429 °F ((無水物)
分解 (六水和物))

沸点

1500 °C, 1773 K, 2732 °F

への溶解度 に可溶 (無水物)
エタノールに若干溶ける (六水和物)[1]
構造
結晶構造 単斜晶系
空間群 C2/m, No. 12
格子定数 (a, b, c) a = 6.80 Å Å,b = 11.79 Å Å,c = 6.39 Å Å
格子定数 (α, β, γ) α = 90°, β = 110.7°, γ = 90°
関連する物質
その他の陰イオン 酸化エルビウム(III)
その他の陽イオン 塩化ホルミウム(III), 塩化ツリウム(III)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

塩化エルビウム(III)(Erbium(III) chloride)は、化学式ErCl3の紫色の固体である。金属エルビウムを作る際に用いられる。

合成

無水塩化エルビウム(III)は、塩化アンモニウムを経由して合成される。第一段階では、酸化エルビウム(III)を塩化アンモニウムと一緒に加熱し、五塩化物のアンモニウム塩を作る。 Er2O3 + 10 [NH4]Cl → 2 [NH4]2ErCl5 + 6 H2O + 6 NH3

第二段階では、塩化アンモニウム塩を真空中で350-400℃に加熱し、三塩化物に変換する。

構造

塩化アルミニウム(III)型の結晶を作る。単斜晶系で、点群はC2/mである。

六水和物も単斜晶系の結晶となり、点群はP2/n (P2/c) - C42hである。この化合物では、エルビウムは八配位し、[Er(H2O)6Cl2]+イオンを形成する。

光学特性

塩化エルビウム(III)溶液は、負性非線形吸収効果を示す。

触媒活性

アルコールフェノールアシル化フルフラールへのアミン付与等に触媒作用を示すことが示されている。フリーデル・クラフツ反応を触媒し、ルーシェ還元の際には、塩化セリウム(III)の代わりに用いることができる。

出典

  1. ^ Lide, David R. (1998). Handbook of Chemistry and Physics (87 ed.). Boca Raton, Florida: CRC Press. pp. 4–57. ISBN 0-8493-0594-2 



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