国鉄ケ150形蒸気機関車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/09/19 14:08 UTC 版)
ケ150形は、かつて日本国有鉄道およびその前身である鉄道院、鉄道省等に在籍した、特殊狭軌線用タンク式蒸気機関車である。
概要
鉄道院が1920年(大正9年)に建設工事用として、深川造船所で4両(ケ150 - ケ153)[1]を製造した機関車である。深川造船所が初めて鉄道院から受注した機関車である。設計は製造者側で行われ、鉄道院が承認をするという形がとられている。車軸配置0-6-0(C)、サイドタンク式の公称6トンといわれるタイプで、国有鉄道が製造した工事用機関車の中では、軸重が最小であった。同じ製造者によることもあり、タンクの形態を除いてケ100形(第2種)と形態が同調している。また、運転台とタンク周りは皿鋲を使用したフラッシュ仕上げである。
本形式の落成は、1920年12月および1921年(大正10年)2月に各2両で、配置はケ150が東京建設事務所、ケ151, ケ152が新庄建設事務所、ケ153が大分建設事務所である。その後は、熊本、高知、岡山、岐阜、下関などの建設事務所を巡り、一部は信濃川電気事務所にも配置された。廃車は、全車が1953年(昭和28年)度であるが、実際は1950年(昭和25年)頃から休車状態で放置されていたようである。
施設局における車蒸番号は、番号順に24, 18, 5, 22であった。
主要諸元
- 全長:4,877mm
- 全高:2,210mm
- 最大幅:1,676mm
- 軌間:762mm
- 車軸配置:0-6-0(C)
- 動輪直径:546mm
- 弁装置:ワルシャート式
- シリンダー(直径×行程):140mm×254mm
- ボイラー圧力:11.2kg/cm²
- 火格子面積:0.28m²
- 全伝熱面積:6.6m²
- ボイラー水容量:3.4m³
- 機関車運転整備重量:6.1t
- 機関車動輪上重量(運転整備時):6.1t
- 機関車動輪軸重(各軸均等):2.03t
- 水タンク容量:0.9m³
- 燃料積載量:0.14t
- 機関車性能
- シリンダ引張力:870kg
- ブレーキ方式:手ブレーキ
脚注
参考文献
- 金田茂裕「形式別・国鉄の蒸気機関車 国鉄軽便線の機関車」1987年、エリエイ出版部刊
- 臼井茂信「日本蒸気機関車形式図集成 2」1969年、誠文堂新光社刊
- 臼井茂信「機関車の系譜図 3」1976年、交友社刊
- 臼井茂信「国鉄狭軌軽便線 5」鉄道ファン1983年6月号 (No.266)
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