回転数感応式LSD
前後左右の出力軸の回転数差によって差動制限トルクが変化する構造のLSDで、ビスカス式LSDがこの代表。ビスカス式はカップリングを利用した差動制限装置で、高粘度の粘性流体(シリコーンオイル)のせん断応力を利用してトルクを伝達し、ディファレンシャルの差動作用を抑制する。回転速度感応式LSDとも呼び、回転速度差に応じて伝達トルクが上昇していくカップリングクラッチを、デフの差動制限装置に設定したLSD。カップリングクラッチにはビスカスカップリングやアキシャルポンプなどが使用される。ビスカスカップリングは複数のプレートとシリコーンオイルなどから構成されており、シリコーンオイルの粘性でトルクを伝える。トルク感応式LSDでは、1輪が完全に浮いてしまうとトルクを伝えなくなるが、速度感応式では、1輪が完全に浮いた状態でもカップリングの差動制限トルク相当は駆動できる長所がある。差動制限トルクの特性が滑らかなために、FF車に取り付けてもステアリング操作の違和感が少ない。違和感を生じないようにカップリングに封入するシリコーンオイルと空気の量を調整する。
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