和邇駅 (江若鉄道)とは? わかりやすく解説

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和邇駅 (江若鉄道)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/26 17:56 UTC 版)

和邇駅
わに
WANI
真野 (3.4 km)
(2.5 km) 蓬莱
東はJR湖西線和邇駅
所在地 滋賀県滋賀郡志賀町大字高城
(現・大津市和邇高城[1]
所属事業者 江若鉄道
所属路線 江若鉄道線
キロ程 18.9 km(浜大津起点)
駅構造 地上駅
ホーム 2面3線
開業年月日 1924年大正13年)4月1日
廃止年月日 1969年昭和44年)11月1日
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和邇駅(わにえき)は、かつて滋賀県滋賀郡志賀町大字高城(現在の大津市和邇高城[1])にあった江若鉄道廃駅)。

歴史

和邇駅は1924年大正13年)、江若鉄道が堅田駅から和邇駅まで延伸開通したのに合わせて開業した[1]。2年後の1926年(大正15年)には和邇から先、近江木戸駅までの区間が開通する[2]。江若鉄道の当初の路線計画では、浜大津から福井県の三宅に至る本線[注釈 1]のほかに、当駅から分岐して途中越をトンネルで抜け、京都府の大原八瀬を経て二条駅に至る支線を敷設する計画が存在した[4]。この計画は改正鉄道敷設表別表第77号「滋賀県浜大津ヨリ高城ヲ経テ福井県三宅ニ至ル鉄道 及高城ヨリ分岐シテ京都府二条ニ至ル鉄道」の後段に相当する。しかしこの支線については資金や技術面での裏付けがあったわけでもなく、鉄道敷設の免許申請をするも本線の開業に注力すべきとして却下され、未成に終わっている[4][5]

江若鉄道は1969年(昭和44年)10月31日をもって営業を終了し[6]、当駅も翌11月1日廃止された[7]

年表

駅構造

和邇駅は列車交換が可能な交換駅[10][11]ホームは2面あり[11]、2本の線路の間にホームが1面配される島式ホームを有した[12]。旅客と貨物を扱うことができた一般駅であり[10]、駅には側線が引かれていた[12]

駅に設置されていた駅名標では、駅名が「和」と略字で表記されていた[13]

和邇駅 配線略図

浜大津
方面

近江今津
方面
凡例
出典:[14]


利用状況

開業から数年間の年間乗降客数・貨物取扱量の状況は以下の通り。

年間の旅客および貨物の取扱量
旅客 貨物 出典
乗車 降車 発送 到着
1924年 33,294人 26,228人 163トン 75トン [15]
1931年 46,662人 47,603人 784トン 1,187トン [16]
1934年 41,274人 42,276人 603トン 1,075トン [17]
1935年 42,461人 43,432人 539トン 1,092トン [18]
1936年 48,390人 49,554人 519トン 1,337トン [19]

駅周辺

琵琶湖の和邇浜水泳場が近い[1]。集落も多くあり、浜大津駅から当駅までの区間列車が設定されていたこともある[11][12]

駅があった場所は江若鉄道の廃線後に開業した湖西線和邇駅の西寄りにあたる[1]。跡地は長らく空き地のままであったが、平成期に入ってから住宅地に変わった[1][20]。その北側を流れる喜撰川には江若鉄道の鉄道橋(喜撰川橋梁)の跡があり、橋台が草に埋もれながらも残されている[20][21]

隣の駅

江若鉄道
江若鉄道線
真野駅 - 和邇駅 - 蓬萊駅

脚注

注釈

  1. ^ 建設資金の枯渇により路線は今津までの開通に留まり、その先三宅方面への延伸はかなわなかった[3]

出典

  1. ^ a b c d e f 江若鉄道の思い出, p. 54.
  2. ^ 田中, 宇田 & 西藤 1998, p. 394.
  3. ^ 江若鉄道の思い出, pp. 116–117.
  4. ^ a b 田中, 宇田 & 西藤 1998, p. 397.
  5. ^ a b 寺田 2010, p. 12.
  6. ^ 江若鉄道の思い出, p. 124.
  7. ^ a b c d 今尾 2008, pp. 31–32.
  8. ^ 「地方鉄道運輸開始」『官報』1924年4月8日(国立国会図書館デジタル化資料)
  9. ^ 「地方鉄道運輸開始」『官報』1926年4月15日(国立国会図書館デジタル化資料)
  10. ^ a b 寺田 2010, p. 10.
  11. ^ a b c レイル, p. 82.
  12. ^ a b c 寺田 2010, p. 15.
  13. ^ レイル, p. 83.
  14. ^ 高橋修『江若鉄道(上)』ネコ・パブリッシング、2021年、30頁。ISBN 978-4-7770-5474-9 
  15. ^ 『滋賀県統計全書』大正13年版(国立国会図書館デジタル化資料)
  16. ^ 『滋賀県統計全書』昭和6年版(国立国会図書館デジタル化資料)
  17. ^ 『滋賀県統計全書』昭和9年版(国立国会図書館デジタル化資料)
  18. ^ 『滋賀県統計全書』昭和10年版(国立国会図書館デジタル化資料)
  19. ^ 『滋賀県統計全書』昭和11年版(国立国会図書館デジタル化資料)
  20. ^ a b 寺田 2010, p. 25.
  21. ^ 吉田 1998, p. 189.

参考文献

関連項目

外部リンク




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