ワラヂヤ出版とは? わかりやすく解説

ワラヂヤ出版

(和楽路屋 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/07 02:17 UTC 版)

ワラヂヤ出版株式会社
種類 株式会社
本社所在地 日本
大阪府大阪市西区新町3丁目
テンプレートを表示

ワラヂヤ出版株式会社(ワラヂヤしゅっぱん)は、かつて大阪市にあった出版社である。本社は西区新町3丁目にあった。

沿革

1872年(明治5年)、日下伊兵衛が「和樂路屋」(和楽路屋)として創業。

以来100年以上にわたって地図を専門に出版してきた老舗で、1981年に法人化し主に近畿圏書店に販売ルートを持っていた。2002年9月27日に事業を停止し、自己破産を申し立て同年10月8日大阪地方裁判所より負債額7億5000万円にて破産宣告を受けた。社名の由来は、歩測調査を行った際に用いられた草鞋に由来する。

2006年8月9日に破産手続が終了し、法人格は消滅している。

主力商品(特に法人化後)は『ピクニカ』シリーズや『コンパニオン道路地図帳』シリーズだった。

概要

ワラヂヤ出版は、年間売上高10億円弱と規模としては中小だったが歩測に基づいた綿密な地図を発行、社名を歌ったコマーシャルソングラジオ広告も行うなど積極的な経営を行っていた。だが、中小の規模ゆえに地図の高度化、電子化に対応しきれなかったことが原因で破産に至った。

1990年代前半から昭文社の「スーパーマップル」、アルプス社の「アトラスRD」の登場によって道路地図にもCGが用いられるようになると、同社の主力商品であった『ピクニカシリーズ』や『コンパニオン道路地図帳シリーズ』などは古いイメージを拭えず売れ行きは極端に落ち込み、近畿圏でさえ書店からは定番を確保できず、売上低下に拍車を掛けることになった。その後、スーパーマップルやアトラスRDに対抗すべく「ナビップ」というCGを用いた地図帳を出版したり、旅行ガイドに注力したりしたが奪われた市場を取り返す力は衰えていた。ナビップは社運を賭けた地図帳でCGを利用していたが、その出来映えは明らかにライバル出版社のものと比べると見劣りするものであった。

のちにPC用、カーナビ用の電子地図など地図業界のデジタル化は急速に進み、完全に時代のニーズに乗り遅れてしまったことで、デジタル地図への投資も莫大な費用を要するため再建は不可能となりつつ経営破綻に至った。

なお、ワラヂヤ出版の地図はマニアやコレクターのアイテムとしてネット上などで取引されることもある。

最新鉄道地図

明治30年代の鉄道旅行ブームに乗って大ヒットした横長ワイド折り畳み式の観光地図。これがワラヂヤ出版の名を世間に知らしめた。

新線開通などのたびに版を改めて発行、駅の売店でも発売され、息の長い人気を保っていた。

脚注





固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ワラヂヤ出版」の関連用語

ワラヂヤ出版のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ワラヂヤ出版のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのワラヂヤ出版 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS