向き付けられた滑らかな曲線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/30 22:43 UTC 版)
「複素線積分」の記事における「向き付けられた滑らかな曲線」の解説
積分路はしばしば向き付けられた滑らかな曲線のことばで定義される。これらは、滑らかな曲線の「断片」の正確な定義を与え、積分路は断片からなる。 滑らかな曲線とは、曲線 z: [a, b] → C であって、微分が消えず連続で、各点が一度だけ通過される(z が単射である)ものである、ただし終点が始点と一致する場合 (z(a) = z(b)) だけは例外である。終点が始点と一致するような場合には、曲線は閉曲線と呼ばれ、関数は他のいたるところ単射でなければならず、微分はその一致する点で連続でなければならない (z'(a) = z'(b))。閉でない滑らかな曲線はしばしば滑らかな弧と呼ばれる。 曲線の径数付け(英語版)により曲線上の点に自然な順序が入る:x < y のとき z(x) は z(y) より"小さい"。このことは向き付けられた滑らかな曲線 (directed smooth curve) の概念を導く。特定の径数付けに依存しない曲線を考えるのが最も有用である。このことは同じ方向を持つ滑らかな曲線の同値類を考えることによってなされる。すると方向をもつ滑らかな曲線は、ある滑らかな曲線の像である複素平面の点の集合に(径数付けから定まる)自然な順序をいれたものとして定義できる。点のすべての順序付けが滑らかな曲線の自然な順序であるわけではないことに注意。実は、与えられた滑らかな曲線は、そのような順序付けを2つしかもたない。また、ひとつの閉曲線は任意の点を終点として持つことができるが、滑らかな弧の終点となるのは2点のみである。
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