各県での施行状況
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/12 03:15 UTC 版)
まず単一区制を取ってから大区小区制に切り替えた県が多いものの、当初から大区小区制を採用した県、中途で単一区制に転換した県、一貫して単一区制を採った県など、様々である。また形式上は大区小区制を採っていても、大区、小区、またはその双方に役人が置かれず、有名無実のものとなった県も数多い。 大区小区制には明治新政府による「人目一新、旧弊除去」の意図があるとされているが、実際にその狙い通りに施行されたとは限らず、現実には様々な妥協が行われた。旧来の郡を無視して区画した県もあれば、郡を基礎として区分した県もあり、さらには旧来の支配構造(改革組合など)をほぼ温存した県もある。井戸庄三は以下の3類型に分類できるとしている 新潟・愛媛県型 「統治」優先。郡とは無関係に人為的・画一的に区画化されたため、実情との乖離を解消するため度々改編が必要になった。区長・戸長らは官選であり、「人目一新、旧弊除去」の方針が徹底されている。町村には役人が配置されず、行政・自治の両面で無視された。 滋賀・静岡県型 「自治」尊重。郡などの歴史的領域を継承して区画が編成された。町村には民選の戸長らが置かれ、自治単位としてまた行政単位として機能した。 愛知県型 「行政」優先。町村に官選の役人を配置して行政の末端と位置づけるが、同時に民選の役人を置いて自治単位としての役割を担わせている例が多い。
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