原像と影像
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/30 09:27 UTC 版)
文化的には、事象一般について、元の存在である「原像」と、その補完存在あるいは二次的存在としての「影像」という観念が成立する。 人間の「魂」について、未開時代から現代にいたるまで、様々な把握があるが、魂自体と、魂を補完する像としての「魂の影」という考え方がある。魂の影とはどのようなものであるのか、魂がどのように観念されているかによって、色々な把握がある。 古代ギリシア語の「プシューケー ψυχη」は、「魂の影」または「人の影」というような意味を持っていた。幽霊と多くの文化で呼ばれているものは、弱々しく儚い影の現象でもある。 プラトンの語るところでは、我々の見ているもの、現象世界は、真実在世界の影であると言う。この場合、影は原像の姿を暗示し、類似した形を持つが、原像の実在そのものとは異なっている。このような真実在と仮象としての影という把握は、人類の長い宗教的・文化的なイメージの歴史から意味が織り出されていると言える。
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