加群の任意の族に対する構成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/07 03:48 UTC 版)
「加群の直和」の記事における「加群の任意の族に対する構成」の解説
2つのベクトル空間の直和と2つのアーベル群の直和の定義の間の明らかな同様性に気付くべきである。実際、それぞれは2つの加群の直和の構成の特別な場合である。さらに、定義を修正することによって加群の無限族の直和に適用することもできる。正確な定義は以下のようである (Bourbaki 1989, §II.1.6)。 R を環とし {Mi : i ∈ I} を集合 I で添え字づけられた左 R-加群の族とする。すると {Mi} の直和 (direct sum) はすべての列 ( α i ) {\displaystyle (\alpha _{i})} の集合、ただし α i ∈ M i {\displaystyle \alpha _{i}\in M_{i}} であり有限個を除くすべての添え字 i にたいして α i = 0 {\displaystyle \alpha _{i}=0} 、と定義される。(直積(英語版) (direct product) は類似だが添え字は有限個を除くすべてで消える必要はない。) それはまた次のようにも定義できる。I から加群 Mi の非交和への関数 α であって、すべての i ∈ I に対して α(i) ∈ Mi であり有限個を除くすべての添え字 i に対して α(i) = 0 であるようなもの。これらの関数は i ∈ I {\displaystyle i\in I} 上のファイバーを M i {\displaystyle M_{i}} として添え字集合 I 上のファイバー束の有限台断面として同値に見なすことができる。 この集合は成分ごとの和とスカラー倍を経由して加群の構造を引き継ぐ。具体的には、2つのそのような列(あるいは関数) α と β はすべての i に対して ( α + β ) i = α i + β i {\displaystyle (\alpha +\beta )_{i}=\alpha _{i}+\beta _{i}} (これは再び有限個を除くすべての添え字に対して 0 であることに注意する)と書くことによって足すことができ、そのような関数は R の元 r によってすべての i に対して r ( α ) i = ( r α ) i {\displaystyle r(\alpha )_{i}=(r\alpha )_{i}} と定義することによって掛けることができる。このようにして、直和は左 R-加群になり、それは ⨁ i ∈ I M i . {\displaystyle \bigoplus _{i\in I}M_{i}.} と表記される。列 ( α i ) {\displaystyle (\alpha _{i})} を和 ∑ α i {\displaystyle \textstyle \sum \alpha _{i}} として書くのが慣習である。ときどき有限個を除くすべての項が 0 であることを示すためにプライム付総和 ∑ ′ α i {\displaystyle \textstyle \sum '\alpha _{i}} が使われる。
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