前震と地震予知
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/23 09:53 UTC 版)
前震を捉えることによって、規模の大きな本震の予知につながるのではないかという指摘は大正時代からあったが、前震から本震発生の予知に成功した例はない。それは、科学的に前震と判断するためには数日から10日程度の活動を解析する必要があるからで、とある地震活動が本震なのかを判断するためには、余震数の減衰と分布を立体的に捉える必要があり、余震数の減衰については、「改良大森公式」と呼ばれる統計的な時系列モデルが利用される。また、地震活動の減衰率が非常に低くても、前震ではなく群発地震の可能性もある。現在の科学ではこの群発地震と前震を明確に判断する技術はなく、前震の存在は本震後に判断される。 明確な分類は無いが、前震とは別に大地震の前に起こる地震活動として前駆活動というものがある。スロースリップ・前駆微動などがこれにあたる。前震はあくまで一連の大規模な地震活動のうちの一つであることに対し、こちらのほうが本震までのタイムラグが長く、発見も容易だとされているが、現在までこれを利用した地震予知の成功例はない。
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