凩や馬現はれて海の上
| 作 者 | |
| 季 語 | 凩  | 
| 季 節 | 冬  | 
| 出 典 | |
| 前 書 | |
| 評 言 | 2004年7月25日、山口県下松市笠戸島で、この句碑の除幕式が行われた。この「凩(こがらし)や」の句は松澤昭会長の若き「雲母」時代の代表作。 句碑の建立に先立つ4月には「四季」の主幹を愛娘雅世さんに譲られ、5月22日には蕗子夫人を失われた。ドラマはいつも悲劇的である。そんな痛切な思いが横切る。 さてこの句、木枯しの吹きすさぶ海の上に忽然と現れた馬である。リアルな馬というよりも、これはシュールな馬ともいえる。ふと中村草田男のいう「原馬」(ウルブフェルト)を思い起こした。原馬とはギリシャ彫刻の真髄であって現象の中核に根源をとらえる真の写実をいう。松澤会長の言う心象風景ともいえようか。 この馬はわれわれの生命の源にまでさかのぼる馬である。それは人間と馬の限りないつながり、農と稲と大和と、今の私たちにまではるかにつながってくるのだ。 画像はクレイン『ネプチューンの馬』。 | 
| 評 者 | |
| 備 考 | 
- 凩や馬現はれて海の上のページへのリンク

 
                             
                    


