冠詞の機能
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/27 03:32 UTC 版)
冠詞の機能は二つある。一つは、名詞句の定不定を規定することで、これを談話機能という。定には定冠詞、不定には不定冠詞を用いる。現在の生成文法では、冠詞を含む限定詞こそがいわゆる名詞句の主要部であるという DP 仮説(DP: Determiner Phrase、限定詞句)がある。また冠詞に名詞が付くのであって、名詞に冠詞を付けるのではないという母語話者の内省報告もある。 もう一つは、名詞を可算名詞として用いているか不可算名詞として用いているかを規定することで、これを認知機能という。以下に英語とフランス語の不定の例を示す。 英語フランス語意味可算an apple une pomme 数えられる物としての単数のりんご apples des pommes 数えられる物としての複数のりんご 不可算apple de la pomme すりりんごなどの物質としてのりんご 英語では複数および不可算では無冠詞となる。これをゼロ冠詞と見なしても良い。複数名詞は複数形の語尾 -s を持つ。 フランス語では不定冠詞に単複があり、また不可算には部分冠詞を用いる。名詞は単複の違いはなく同音であり、正書法でのみ書き分ける。したがって聞き取りにおいて冠詞が単複の区別の手がかりとなる。
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