再熱ランキンサイクル
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図 6. 再熱ランキンサイクルの構成 図 7. 再熱ランキンサイクルのT-s 線図 図 6 のようにタービンを高圧タービン T1 と低圧タービン T2 に分割し、高圧タービンで膨張して温度が下がった蒸気をすべて取り出して、もう一度ボイラへ戻して加熱し、次の低圧タービンへ送って引き続き膨張させる。膨張途中の蒸気を取り出して再度加熱することを再熱とよび、この種のサイクルを一般に再熱サイクルとよぶ。また再熱に用いる装置を再熱器(ボイラの一部を構成)とよぶ。 再熱サイクルとするには、建屋内のタービンと屋外のボイラをつなぐ配管を必要とし、また、圧力が低下しているために蒸気の比体積が大きくなっているため、実際にはまさつにより少なからぬ圧力損失が生じる。ここでは、簡単のためにこの圧力降下を無視することにすると、再熱器での蒸気の状態変化は等圧加熱であると考えることができ、再熱ランキンサイクルの T-s 線図は図 7 のようになる。再熱を行わない場合は、タービン出口は 4 の状態になるが、再熱サイクルでは c となり、かわき度が大幅に高くなることが見て取れる。 再熱ランキンサイクルの状態変化装置理想化した状態変化→3 3→a 高圧タービン 等エントロピー膨張 a→b 再熱器 等圧加熱 b→c 低圧タービン 等エントロピー膨張 c→ 再熱器での加熱量は、圧損の有無にかかわらず q R = h b − h a {\displaystyle q_{\mathrm {R} }=h_{\mathrm {b} }-h_{\mathrm {a} }} となる。従って、再熱ランキンサイクルの熱効率は次式で求めることができる。 η = w T 1 + w T 2 − w P q B + q R = ( h 3 − h a ) + ( h b − h c ) − ( h 2 − h 1 ) ( h 3 − h 2 ) + ( h b − h a ) ≃ ( h 3 − h a ) + ( h b − h c ) ( h 3 − h 1 ) + ( h b − h a ) {\displaystyle \eta ={\frac {w_{\mathrm {T1} }+w_{\mathrm {T2} }-w_{\mathrm {P} }}{q_{\mathrm {B} }+q_{\mathrm {R} }}}={\frac {(h_{3}-h_{\mathrm {a} })+(h_{\mathrm {b} }-h_{\mathrm {c} })-(h_{2}-h_{1})}{(h_{3}-h_{2})+(h_{\mathrm {b} }-h_{\mathrm {a} })}}\simeq {\frac {(h_{3}-h_{\mathrm {a} })+(h_{\mathrm {b} }-h_{\mathrm {c} })}{(h_{3}-h_{1})+(h_{\mathrm {b} }-h_{\mathrm {a} })}}} 再熱器で加熱時の蒸気の温度は、サイクル全体の平均の加熱温度よりも高いため、通常、再熱により熱効率も向上する。しかし、前述のように圧力損失に伴う損失が大きくなるため、実際の再熱段数は 1 段または 2 段が限度となっている。
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再熱ランキンサイクル (1段再熱)
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ランキンサイクル#再熱ランキンサイクル の項も参照。 1 温度T1-給水ポンプでP1からP2まで加圧→2 温度T2 2 温度T2-蒸気ボイラでQ1の熱を吸熱→3 温度T3 3 温度T3-タービンで断熱膨張→a 温度Ta a 温度Ta-蒸気ボイラでQaの熱を吸熱→b 温度Tb b 温度Tb-タービンで断熱膨張→4 温度T4 4 温度T4-Q2の熱を復水器で放熱→1 温度T1
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