共用型ターボポンプ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/29 06:10 UTC 版)
いくつかの旧ソビエト連邦、およびロシア製ロケットエンジン同様に小型の燃焼室を1台のターボポンプ周辺に配置している。この結果、幅が広く短いロケットエンジンになり、開発が容易になる。1950年代初頭、グルシュコを含むソ連のロケットエンジン開発者の多くは、大型燃焼室の設計において振動の問題に悩まされた。彼らはこの問題を解決するために小型の燃焼室を束ねる方法を選んだ。その結果、開発が容易になっただけでなく、1台の燃焼室が故障しても他の燃焼室の燃焼時間を増せば補うことができるようになり、高い信頼性を得ることができた。旧ソ連・ロシアの二段燃焼サイクルエンジンは、酸素リッチな二段燃焼サイクルを採用している。還元性雰囲気中で駆動するスペースシャトルやH-IIロケットなどの水素リッチな二段燃焼サイクルに比べて、タービンが酸化性雰囲気に曝されることから難易度が高くなるが高出力が得られる。酸素リッチな二段燃焼サイクルは、旧ソ連・ロシア以外で実用化された例はない。
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