全身的動作・姿勢の認知
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/13 22:22 UTC 版)
「先天盲からの回復」の記事における「全身的動作・姿勢の認知」の解説
←左 瞳孔散大系右→ 弱視系 動作を把握できても静止状態が把握できない視覚イメージ図 :(右図)動きは捉えることができても、静止すると全身に比して腕は対象比率が小さくなるため把握がむずかしくなる(静止後の腕先のぼやかしは靴先と同じぼかし率). 望月・鳥居らの実験(観察)は「開眼者が人の全身的な動作や姿勢それ自体を視覚的にどの程度認知できるか」という基本的なところから始められた。「動作」実験(実験者の腕の上げ下ろし、曲げ伸ばし、脚の開閉、胴体の前後倒しなどを一定の距離から被験者が観察し報告する)では腕の動きなどの方向弁別は初回でも可能であったが、動きを伴わない「静止条件」では全身的な姿勢の認知もできなかった。4年後にはある程度改善され、9年後には1~2,5m程度以内であれば「動作」で9割、「静止条件」でも7割以上識別できるようになった。全身行動をある程度捉えられるようになると、指で特定対象を指す指差し行動の認知課題(ただし指と対象の距離があると両方を一度に把握するのが難しいため、顎や肩などを直接指示する形)に進んだ。静止の把握が動きに比べ難しい点は同じで、視覚対象が小さくなるにつれ正答率は全身動作の把握より下がった。
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