偏逆写像とは? わかりやすく解説

偏逆写像

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 14:32 UTC 版)

逆写像」の記事における「偏逆写像」の解説

写像 f が一対一ない場合にも、f の偏逆写像もしくは部分写像 (partial inverse) を始域制限することによって定義することができる。たとえば函数 f ( x ) = x 2 {\displaystyle f(x)=x^{2}} は x2 = (−x)2 となるから一対一ではない。しかし、x ≥ 0 に始域制限すれば一対一になり、このとき f − 1 ( y ) = y {\displaystyle f^{-1}(y)={\sqrt {y}}} となる(定義域を x ≤ 0 に制限したときは、逆函数は負の平方根与えものになる)。あるいは、逆函数多価函数 f − 1 ( y ) = ± y {\displaystyle f^{-1}(y)=\pm {\sqrt {y}}} として考えるならば始域制限する必要も無い。 このような多価逆函数を f の全逆函数もしくは完全逆写像 (full inverse) などと呼び、その(√x や −√x のような部分のことをもしくは分枝 (branches) と呼ぶ場合もある。(例えば正の平方根のような多価函数の最も重要な主枝 (principal branch) といい、逆函数の y における値で主枝属するものを f −1 (y)主値 (principal value) と呼ぶ。 実数直線上の連続函数に対して極値隣り合う対にそれぞれ、その全逆函数一つの(連続な)対応する例えば、極大値極小値をもつ三次函数逆函数は、三つ分枝を持つ。 こういったことへの配慮は、特に三角函数逆函数定義する際には重要である。例えば、正弦函数任意の実数に対して sin ⁡ ( x + 2 π ) = sin( x ) {\displaystyle \sin(x+2\pi )=\sin(x)} を満たす(もっと一般に任煮の整数 n に対して sin(x + 2πn) = sin(x)満たす)から一対一ではない。しかし、区間 [−π/2, π/2] 上で正弦函数一対一であり、対応する逆函数逆正弦函数 arcsine呼ばれる。これは(全)逆正弦函数主枝であると考えられ、そたがってこの逆函数主値は常に .mw-parser-output .frac{white-space:nowrap}.mw-parser-output .frac .num,.mw-parser-output .frac .den{font-size:80%;line-height:0;vertical-align:super}.mw-parser-output .frac .den{vertical-align:sub}.mw-parser-output .sr-only{border:0;clip:rect(0,0,0,0);height:1px;margin:-1px;overflow:hidden;padding:0;position:absolute;width:1px}−π⁄2 と π⁄2 の間に値を持つ。 逆三角函数主枝函数通常用いられる主値範囲arcsin −π/2 ≤ arcsin(x) ≤ π/2 arccos 0 ≤ arccos(x) ≤ π arctan −π/2 < arc tan(x) < π/2 arc cot 0 < arc cot(x) < π arc sec 0 ≤ arc sec(x) < π arc csc −π/2 ≤ arc csc(x) < π/2

※この「偏逆写像」の解説は、「逆写像」の解説の一部です。
「偏逆写像」を含む「逆写像」の記事については、「逆写像」の概要参照ください

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