偏長対称こま分子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/15 09:21 UTC 版)
扁平対称こま分子の回転準位の式で、もし C > B であるならば、これは偏長対称こま分子の回転準位を表す式になる。しかし、ふつうは A ≥ B ≥ C となるように慣性主軸をとるので、分子の対称軸が慣性主軸のa軸になるように軸をとり直す。座標系が右手系になるように、c軸 ← a軸、a軸 ← b軸、b軸 ← c軸、と軸をとり直すなら、扁平対称こま分子の回転準位の式の回転定数が C ← A , A ← B , B ← C {\displaystyle C\leftarrow A,\qquad A\leftarrow B,\qquad B\leftarrow C} と置き換わるので、I∥ = IA < IB = IC = I⊥ すなわち A > B = C である偏長対称こま分子の回転準位は E = h B J ( J + 1 ) + h ( A − B ) K 2 , J = 0 , 1 , 2 , 3 , ⋯ , K = 0 , ± 1 , ± 2 , ⋯ , ± ( J − 1 ) , ± J {\displaystyle E=hBJ(J+1)+h(A-B)K^{2},\qquad J=0,1,2,3,\cdots ,\qquad K=0,\pm 1,\pm 2,\cdots ,\pm (J-1),\pm J} となる。偏長対称こま分子の回転準位も、扁平対称こま分子と同様に、K = 0 の準位が 2J + 1 重に縮退している。また K ≠ 0 の準位は 2(2J + 1) 重に縮退している。偏長対称こま分子では A > B なので、量子数 J が同じ回転状態であれば、K が大きいほどエネルギーは高くなる。つまり、扁平対称こま分子とは逆に、J が同じなら回転軸が対称軸に近づくほど回転エネルギーが大きくなる。
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