信号処理への応用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/01 16:18 UTC 版)
さまざまな用途が考えられるが、コンパクト台をもたない(非0の値が有限区間に限定されていない)ため、非常に多くの計算量を要することが多い。有限長で計算を打ち切らなければならないことも多く、無限長では生じない問題が発生することもある。概して、理論的背景やシミュレーションにとどまることが多い。 直交性と ±∞ での収束性から、直交ウェーブレット変換の基底に用いる。ただし、コンパクト台をもたないため、計算量が O(n2)(O はランダウの記号)で増える。これは、コンパクト台をもつ基底だと計算量が O(n) であることに比べ、大きなデメリットである。 sinc 関数のフーリエ変換が矩形関数であることから、リサンプリングや内挿の補間カーネル(低域通過フィルタ)に用いる。無限系列の信号に対しては、sinc 関数は理想的な補間カーネルである。しかし、コンパクト台をもたないことが実際の有限長の信号を処理する際には問題となるため、実際の信号処理では、sinc 関数に似たコンパクト台をもつ関数である、3次畳み込み関数や、ランツォシュ (Lanczos) フィルタなどが使われることが多い。 矩形関数のフーリエ変換がsinc 関数であることから、sinc 関数を使えば、理想的なD/A変換ができる。但し、あくまでも理想論であり、計算量が無限大に発散する問題があるため、実際にこの方法で D/A 変換が行われるわけではない。
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