低温ポリシリコン液晶
電子の移動速度が速いポリシリコン(多結晶)素子を活かした液晶パネルのこと。コントラストがよく高画質なのが特徴。「低温」は製造工程を表した言葉で、低温工程を経るものは大型のパネル設計が可能だ。
(執筆:オーディオビジュアル評論家 麻倉怜士)
※この情報は「1999~2002年」に執筆されたものです。
低温ポリシリコン液晶
低温ポリシリコン液晶とは、薄膜トランジスタ(TFT)素子の材料に多結晶シリコン(ポリシリコン)を使い、解像度や耐衝撃性を向上させた液晶のことである。
多結晶シリコンは、非結晶シリコン(アモルファスシリコン)と比べて構造が規則的で、電気抵抗が低いという特性を持っている。電気抵抗が低いと高解像度化が可能になるほか、ドライバICが一体形成できるために部品点数が減り、機器自体の小型化や耐衝撃性の向上にもつながる。このような多結晶シリコンの特性を活かした低温ポリシリコン液晶は、モバイル機器などに利用されることが多い。
なお、従来は多結晶シリコンでの薄膜形成が高温でしか行えなかったため、ガラス基板上にシリコンの薄膜を形成する液晶向けのTFT素子には使えず、代わりに非結晶シリコンが用いられていた。
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