他の解法との比較
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/10 15:00 UTC 版)
アーノルディ法は対称行列の場合にはランチョス法に帰着する。対応するクリロフ部分空間法はPaige・SaundersによるMINRES法(minimal residual method)である。非対称な場合と異なり、MINRES法は3項漸化式で与えられる。一般行列の場合には、GMRES法のように短い漸化式で残差ノルムを最小化するようなクリロフ部分空間法は存在しないことが知られている。 別な系統として、非対称ランチョス法、特に双共役勾配法に基づく解法がある。これらは3項漸化式を用いるが、最小残差は計算しない。したがって残差は単調には減少せず、収束も保証されない。 さらに、CGS法(conjugate gradient squared method)やBiCGSTAB法(stabilized biconjugate gradient method)などによる解法がある。これらも3項漸化式に基づいているため、最適性は保証されず、解に収束する前に終了することがある。これらの解法のアイデアは、反復毎の生成多項式を適切に選択する点にある。 これらのいずれも、すべての行列に対して万能というわけではない。したがって、実際には与えられた問題に対して複数の解法を試みる必要がある。
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