仏壇の宮殿
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/15 09:15 UTC 版)
通常、寺院宮殿は一間であるが、仏壇宮殿は本尊を祀る部分と脇侍を祀る両脇の三間で構成されるのが一般的である。金仏壇は小型寺院としての起源から、宮殿も寺院宮殿を忠実に模したものとなる。屋根と柱で構成され、厨子というより構造の一部であり、扉が付かないことが多い。一般に浄土の楼閣を現すとされ、須弥壇の上に設置される。金仏壇産地によっては木地師とは別に、「宮殿師」とよばれる、宮殿を製作する職人をおくところもあり、中には須弥壇まで製作する場合もある。 以下、特別な造りを挙げる。 御坊造り 向って右側の一間に唐戸を付けて厨子状にしたもの。三河仏壇や名古屋仏壇で、主に真宗大谷派向けの仏壇に見られる。 堂造(宮殿造) 寺院宮殿を模した一間の可動式の宮殿。災害時、本尊をもって避難することができるためとも言われる。手間がかかるため、高級品にしか用いられない。 吊り宮殿 柱を取り付けず、本尊が良く見えるようにしたもの。他宗で用いられる。 宮殿は仏壇の特徴的な部分であり、そのため、家具調仏壇では設けられない場合が多い。
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