交響曲第42番 (ハイドン)とは? わかりやすく解説

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交響曲第42番 (ハイドン)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/29 13:00 UTC 版)

交響曲第42番 ニ長調 Hob. I:42 は、フランツ・ヨーゼフ・ハイドン1771年に作曲した交響曲

概要

残された自筆原稿から、1771年の作曲であることが判明している[1]。いわゆるハイドンの「シュトルム・ウント・ドラング(疾風怒濤)期」にあたるが、本作は明るい曲調を持つ軽めの音楽になっている。

ハイドンは難しくなりすぎないように気を使っていたらしく、第2楽章の自筆譜の中に「これは学者の耳用すぎた」(Dieses war vor gar zu gelehrte Ohren)と記して書き直した箇所が存在する[2]

また、ハイドンの交響曲の中で、最終楽章にロンドを使用した初期の例になっている[1][3]。近い時期の交響曲で、終楽章に変奏曲風のロンドを使用したものには第51番(1771年から1773年頃)や第55番『校長先生』(1774年)がある。特に後者は、弦楽器のみで始まって管楽合奏が続く点でも共通する。

編成

この時期のほかの交響曲と同様、ファゴットは独立した楽譜を持たず、低音楽器の楽譜を演奏する。ただし、最終楽章の管楽器だけになる箇所で「2台のファゴットまたはチェロ」と指定されている。

曲の構成

全4楽章、演奏時間は約22分[4](ただし、クリストファー・ホグウッドによる交響曲全集の演奏は30分以上ある)。

  • 第3楽章 メヌエットアレグレット - トリオ
    ニ長調、4分の3拍子。
    メヌエット主部は1拍めに3連符が置かれる。トリオは弦楽器のみにより、第1ヴァイオリンが上昇分散和音から長いトリルを演奏する。
  • 第4楽章 フィナーレ:スケルツァンド・エ・プレスト
    ニ長調、4分の2拍子、変奏曲風のロンド形式
    主題は弦楽器のみで開始する。最初の挿入エピソードは管楽器のみによる。再び弦楽器で16分音符を使って主題が演奏された後、ニ短調のエピソードが挿入される。最後に主題が戻ってきた後に長めのコーダがある。

脚注

  1. ^ a b 音楽之友社ミニスコアのランドンによる解説
  2. ^ デッカ・レコードのホグウッドによるハイドン交響曲全集第6巻、ウェブスターの解説、1994年
  3. ^ 初期の第2番もロンドで終わっている
  4. ^ 音楽之友社ミニスコアによる

参考文献

  • 『ハイドン 交響曲集IV(41-49番) OGT 1592』音楽之友社、1982年。 (ミニスコア、ランドンによる序文の原文は1967年のもの)

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