二相ステファン問題とは? わかりやすく解説

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二相ステファン問題

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 21:52 UTC 版)

自由境界問題」の記事における「二相ステファン問題」の解説

氷の融解は、温度場 T に対すステファン問題で、それは次のように定式化される。T > 0 の時に現れるような相 1 と、T < 0 の時に現れるような相 2 の二つの相からなる領域 Ω を占めるようなある媒質を考える。その二つの相の温度拡散率はそれぞれ α1 および α2 とする。例えば、水の温度拡散率は 1.4×10−7 m2/s であり、氷の温度拡散率は 1.335×10−6 m2/s である。 単一の相からなる領域において、温度は熱方程式によって決定づけられるものとする。T > 0 の領域においては、 ∂ T ∂ t = ∇ ⋅ ( α 1 ∇ T ) + Q {\displaystyle {\frac {\partial T}{\partial t}}=\nabla \cdot (\alpha _{1}\nabla T)+Q} によって温度決定され、T < 0 の領域においては、 ∂ T ∂ t = ∇ ⋅ ( α 2 ∇ T ) + Q {\displaystyle {\frac {\partial T}{\partial t}}=\nabla \cdot (\alpha _{2}\nabla T)+Q} で決定される。これは、Ω の(既知の)境界上の適切な条件の下で考えられるものである。ここで Ω は熱のシンクあるいはソースを表す。 時刻 t において T = 0 であるような表面(surface)を Γt と表す。この表面は、二つの相の間の界面(interface)である。ν を、第二の(固体の)相への外向き単位法ベクトルとする。このときステファン問題は、向き ν への自由境界の速度 V によって支配されるある方程式によって与えられる、表面 Γ の発展を決定するものである。特に、 L V = α 1 ∂ ν T 1 − α 2 ∂ ν T 2 {\displaystyle LV=\alpha _{1}\partial _{\nu }T_{1}-\alpha _{2}\partial _{\nu }T_{2}} が成り立つ。ここで L は融解の潜熱(latent heat)を表す。T1 は x が領域 T > 0 から Γt へ近付くときの勾配極限意味し、T2 は x が領域 T < 0 から Γt へ近付くときの勾配極限意味する。 この問題において、全領域 Ω は前もって知られているが、氷/水の表面 Γ は時刻 t = 0 におけるものしか知られていない。そのステファン問題を解く上で、各領域における熱方程式を解くだけでなく、自由境界 Γ についても追って考えなければならない。 一相ステファン問題は、α1 あるいは α2 のいずれかゼロとするような問題相当する。すなわち、それは二相ステファン問題の特別な場合である。この観点から、より複雑な問題として、任意の数の相を伴う問題考えることも出来る。

※この「二相ステファン問題」の解説は、「自由境界問題」の解説の一部です。
「二相ステファン問題」を含む「自由境界問題」の記事については、「自由境界問題」の概要を参照ください。

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